私が家を建てている時は、エネファームがクソほど高い値段だったのでどう考えても折り合いがつかず、設置を断念しました。
ただ、エネファームの値段が下がってきたことと、製品自体の性能がぐんと上がってきたので、2024年は「後付け設置」もありかな、と思っているところです。
エネファームタイプS以外にも、京セラが参入して「エネファームミニ」という従来よりも小型のものを発売しています。
エネファームに関する最新情報をまとめたページはこちらに用意しましたので、情報収集の際に参考にしてみてください。
進化したエネファーム、タイプSに関する情報
では、新しく発表された(と言っても数年前ですが)エネファームについての情報を深掘りしていこうと思います。
エネファームタイプSとは
タイプSは、これまでのモデルから以下の点が進化しています。
- サイズが小さくなった(設置場所を選ばなくなった)
- 発電効率が約50%
- 後付けで設置できる
発電効率については、50%が高いのかどうかは判断しかねるところかとは思いますが、順当に機能が向上している、と考えていただいていいと思います。
エネファームTypeSの構造
電気を発生させるセルスタックの電解質にセラミックスを使用することにより、作動温度が約700~750℃と高温になります。
この熱を都市ガスから水素をつくるエネルギーに利用できるため、52.0% という高い発電効率を実現しました。
https://www.saibugas.co.jp/home/house/myhome_ene/farm/types
なんともややこしい説明ですが、都市ガスに含まれる水素を発電に利用し、その際に生じる熱なんかを給湯やら床暖房やらに利用しているというわけです。
これまでは、どちらかといえば「給湯」の熱を無駄なく利用する感じだったけど、発電能力を高めた上で、排熱利用を効率よく行っている、という感じに変わりましたね。
後付け設置ができる
構造上は、これまでの給湯器につなげて設置することが可能となっています。
https://www.aisin.co.jp/cogene/enefarm/features/flexibility.html
対応製品については各社に問い合わせろとのことでしたが、目安としては10年以内のECOジョーズ対応給湯器ならいけそう、という見方です。
PEFCとSOFC
補助金がらみでPEFCやらSOFCやら見知らぬ単語が躍り出てきたので簡単に説明します。
エネファームは、お湯を作る熱を利用して電気に変えるシステムです。
家庭用燃料電池「エネファーム」は、LPガスから水素を取り出して空気中の酸素と化学反応させることにより発電を 行い、同時に発生した排熱を利用して給湯も行うコージェネレーションシステムです。
http://www.nichidankyo.gr.jp/toku/dl/ch02_02.pdf
今回は、エネファームSを取り上げています。タイプSは24時間稼働し続けるSOFCという種類になります。
エネファームが利用する燃料電池の種類
- PE = PEFC(固体高分子形燃料電池)=パナソニック
- SO = SOFC(固体酸化物形燃料電池)=アイシン
現在エネファームには、PEFC(固体高分子形)とSOFC(固体酸化物形)の2種類があります。PEFCは排熱回収効 率が高く起動停止が比較的容易、またSOFCは電力負荷に合わせて24時間連続運転を行い、PEFCに比べて発電効率が 高く本体も小型という特徴があります。実際の運用や設置条件に合わせて、それぞれ適したタイプを選択することがで きます。
http://www.nichidankyo.gr.jp/toku/dl/ch02_02.pdf
まぁ、さっぱり分かりませんが、どう違うかっていうと
SOFCの特長として、動作温度が高く、電極反応がスムーズなため、低温動作の燃料電池に比べ内部抵抗が低くなります。 よって、出力時に電圧降下が起きにくく発電効率が高くなります。 また、都市ガスからの改質反応に燃料電池からの熱を有効利用できるため、効率向上に寄与しています。
http://www.nichidankyo.gr.jp/toku/dl/ch02_02.pdf
ということらしい。
SOFCに伴い変化したこと
これが実生活にどう影響するかというと、こんな感じ。
- 24時間稼働で節電効果も高い
- 同時に、稼働による低周波騒音があるのには注意(改善はされている)
- PEFCは定額補助がない
他の創エネ・再生可能エネルギーとの違い
さて、じゃあ「最新のエネファームがあれば太陽光発電とかいらなくね」という疑問を否定していこうと思います。
京都議定書の目標となっていた2020年が終わり、2021年からは2030年のパリ協定で掲げられた「脱炭素社会」に向かって本格的に動き出すことになります。新しいエネルギーについては別記事でも紹介しています。
また、家づくりに関してのエネルギーの考え方についてもまとめてみました。
再生可能エネルギーの選択肢は、意外と広い
再生可能エネルギーという言葉の認知度は高まりましたが、「実際、何なの?」と聞かれて答えられる人は少ない。最低限、家づくりに関するエネルギーの話だけは知っておくと「未来で損することはない」ということで、簡単に情報をまとめておきました。
地熱発電
地熱発電に関する情報はこちらにまとめました。
地中熱利用
地中熱と地熱がややこしいですが、地面の中は温度変化が少なく、地上との温度差を利用して冷暖房や給湯などの省エネに貢献することができます。
地中熱を家づくりに役立てる情報についてはこちらにまとめてあります。
小型風力発電
自宅に風力発電は実現可能性は低いですが、我々新潟県民は「冬場の日射量は期待できない」ため、太陽光発電と太陽熱利用が難しい地域と言えます。少しでも発電の助けにならないかと、風力発電についても調べてみました。
太陽光発電に勝るものはない
自宅で消費エネルギーを全て賄うZEHという基準で家づくりは進められています。
太陽光発電など自宅で使用する分のエネルギーを作利、少ないエネルギーでも暮らしていけるように断熱効果などを高める、ってやつですね。
この「エネルギーをつくる」部分が「創エネ」なんて呼ばれたりしています。
ZEH基準を目指すなら太陽光発電
ただ、このZEHの基準で家を建てる場合は、基本的には太陽光発電を利用することを念頭におく必要があります。
太陽光パネルはだいぶ普及したこともあって、手の届きやすい価格帯になって、メンテナンスできる業者も増えたのはいいことだね。
一方で、エネファームは、ガス会社を経由するのがほぼ必須であるため「新築時にはガス利用」という大きな縛りがあること、開発メーカーも現在は2社だけということで開発・価格競争が沈静化しつつあること、などからやや下火な印象を受けます。
値段は、数年前よりはだいぶ下がったけどね。
太陽熱を利用するハイブリッドという考え方も
太陽光を期待できる地域の場合、太陽光発電だけではなく、太陽熱を利用することも可能です。太陽熱利用は昔から存在する技術ですが、太陽光発電との相性も考えてハイブリッドに活用する方法についても開発が進められています。
エネファーム、これ以上値下がりはない?
これはあくまでも予想ですが、エネファーム機器の値段がこれ以上(大幅に)下がることはなく、だいたい150万円前後の製品になるという見方があります。
製品自体の開発は進むと思いますが、製品の値段を下げるメリットはないと思います。買う人は買うし、買わない人はこれ以上安くても買わないというラインに達していますね。
むしろ自治体やらの補助金などに働きかけて、「今ならこれくらい安く買える」というアプローチの方が購買刺激になりそうだし。
個人的な感覚で申しますと、100万円切ってくれると助かるところですけどね。
天然ガス供給の問題
ガス利用が必須になるため、ガスへの依存度が高まり、海外情勢の影響を受けやすくなるのは最大のデメリットと言えるでしょう。
ただ、考えようによっては「電気への依存度が減る」ことにもなり、この辺りはどっこいどっこいな感じはします。
2024年のエネファームタイプSを導入する際に知っておきたいこと
エネファームタイプS、だいぶ買いやすくなってきていると思います。
随時更新とまではいきませんが、情報に動きがあった時に調べた内容をまとめておきます。
エネファームタイプSの価格推移
気が向いた時に価格を更新していきます。
2020年の値段
現在、エネファーム事業での開発をしているメーカーはパナソニックとアイシンだけ。2015年にENEOSが撤退。2017年には東芝も手を引いてます。
各メーカーのエネファームの値段
メーカー | 税抜き価格 |
パナソニック | オープン価格(約150万円) |
アイシン精機 | 132万円(自立運転不可) 168万円(自立運転可) |
補助金について
5.補助金の額(交付規程第5条、別表1) (1)補助率
http://www.fca-enefarm.org/subsidy_industrial/file/outline_10.pdf
・ 申請者が申請できる補助金の額は、補助対象経費の1/3以下とします。 (2)補助金上限額
・ 申請者が申請できる補助金の額は、定格発電出力※11kWあたり45万円、かつ燃料電池 ユニット 1 台あたり8,335万円を上限とします。
ややこしいですが、利用したいエネファームのメーカー別に見るとこんな感じです。
- パナソニック製エネファームの補助金は最大12万円(追加補助額×4)
- アイシン精機エネファームの補助金は最大20万円(8万円+追加補助額×4)
https://house-maker.net/zeh/enefarm.html
燃料電池の利用拡大に向けたエネファーム等導入支援事業費補助金は2021年終了
補助金は2021年に終了。おそらくテコ入れしてから別事業での支援となるはず。ZEH支援事業と合算される可能性も高そう。
自治体もサポート
あくまでも一例ですが、新潟県の場合は地域でこんな感じでサポートしています。
新潟県 | 長岡市 | 省エネルギー設備等導入事業補助 | 2019.4.11 ~ 2020.2.28 | 20万円 総予算、太陽光発電設備以外で 2,300万円 |
新潟県 | 上越市 | エネファーム助成金 (ガス水道局) | 2019.4.1 ~ | 40万円 予算枠 3台分を予定 |
新潟県 | 上越市 | 住宅リフォーム促進事業 | 前期:2019.4.15 ~ 5.10 後期:2019.9.17 ~ 10.10 | 対象工事費用の20%以内、上限額 10万円 市内事業者による施工が条件 総予算、前期:3,800万円、後期:3,700万円 |
新潟県 | 柏崎市 | 低炭素型創エネ・省エネ機器導入補助 | 2019.5.15 ~ 2020.3.19 | 20万円 他設備との同時申請時 上限50万円 事業者も対象 |
新潟県 | 魚沼市 | 再生可能エネルギー普及促進 | 2019.4.1 ~ 12.27 | 15万円 |
新潟県 | 燕市 | 住宅リフォーム助成 | 2019.4.1 ~ | 工事費の10%,上限10万円 ただし、住宅用火災警報器の設置および市内登録施工業者の利用が条件 |
新潟県 | 見附市 | 新エネルギー導入促進事業 | - | 30万円 (但し、見附市都市ガスでは使用不可) |
新潟県 | 妙高市 | 都市ガス機器導入助成 (ガス上下水道局) | - | 20万円 |
新潟県 | 五泉市 | 住宅用省エネ設備等(太陽光発電、エネファーム)設置費補助 | 2019.4.10 ~ | 20万円 市内業者による設置が条件 総予算 160万円 |
新潟県 | 湯沢町 | 再生可能エネルギー普及促進事業補助 | - | 20万円 |
エネファームのメーカー比較
Type S購入に踏み切る前に、今一度製品についての知識を深めておきます。メーカーの選択幅が減りましたが、どちらも魅力的な会社なので悩ましいところです。
2024/03/22時点のメーカー発表情報
プレスリリースなどの情報を安置しておきます。
2022年のプレスリリース
パナソニック
京セラ
京セラも3社共同でエネファームを作り始めましたが、タイプSではなかったのでページ作り直します。
アイシン精製機
アイシンは私はあまり馴染みがなかったのですが、トヨタ系の会社になります。つまり、大元はでかいわけです。
3社共同開発がすごい
開発においても、大阪ガス・京セラ・トヨタ自動車と協力しており、エネルギー生産についてはかなり力のある体制ができていると言えるでしょう。
水素自動車技術を支える
トヨタは「水素自動車」としてMIRAIをリリースします。水素自動車については国家事業とも言えるもので、将来的な期待度はかなり高いです。その技術が(おそらく)影響しているのが、アイシン製のエネファームTypeSであると考えられます。
給湯器メーカーを選べる
2018年には新型モデルがリリースされ、給湯器の対応メーカーがノーリツ以外にも、パーパス、リンナイ製が選べます。
パナソニック
今回はタイプSの紹介なので、ざっくりと説明しますが、エネファームのトップシェアを持つのはパナソニックです。さらに、そもそもパナソニックは「燃料電池」に力を入れていることもあり、開発力は高いです。
https://panasonic.biz/appliance/FC/feature/index.html
既存システムとの連携に強い
パナソニックの同じような記事を書いていて頭が混乱しますが、パナソニックはそれほど身の回りに溢れている総合家電メーカーです。
蓄電池記事でも紹介しましたが、パナソニックは蓄電池含め、家の電気の元締めとなるパワコンも作っています。言い換えると、家中の電気をパナソニック製品で全て連携させることが可能です。
新製品もリリース
2019年に新型モデルがリリースされ、熱利用の幅が広がりました。蓄電池への出力も可能となっており、小型化できたことで設置位置も選ばなくなりました。
コメント
「水道 ガス 給湯器」に関する最新情報です。
2024年8月25日に新潟県上越市のガス水道局で「2024ミニガス水道フェア」が開催されます。このイベントでは、注目のハイブリッド給湯器や最新のガス機器、トイレが展示され、特価販売も行われます。販売は株式会社イズミが担当し、ガス機器の販売やリフォーム工事の相談も受け付けます。入場は無料で予約不要です。ハイブリッド給湯器は電気とガスを併用し、停電時でもお湯を沸かすことができるため、特に冬の寒い時期に役立ちます。また、購入時には最大15万円の国の補助金が利用可能です。フェアでは、ガス、水道に関するさまざまな相談にも対応します。
https://www.joetsutj.com/2024/08/17/080000
「関する 火災 協定」に関する最新情報です。
茅ヶ崎市は、5月16日にパナソニック ホームズ株式会社 神奈川支社と「大地震時の電気火災の発生抑制に関する協定」を締結した。この協定は、過去の大規模地震で多くの建物火災の原因となる電気火災を防止し、市街地の火災延焼リスクを低減することを目的として、感震ブレーカーの普及を促進する内容となっている。具体的には、新築住宅を建築する際に感震ブレーカーの必要性を説明し、積極的な設置を促す取り組みが行われる予定となっている。
https://news.google.com/rss/articles/CBMiUWh0dHBzOi8vc2hvbmFuamluLmNvbS9uZXdzL2NoaWdhc2FraS1jaXR5LWFuZC1wYW5hc29uaWMtaG9tZXMtY29uY2x1ZGUtYWdyZWVtZW50L9IBAA?oc=5
「長岡 連携 協定」に関する最新情報です。
長岡市はNTT東日本と連携協定を結び、長岡造形大学との連携を強化してデザイン・アートとテクノロジーの両面から研究活動や人材育成、地域の課題解決・活性化を推進することとした。新潟支店との協定では、技術教育の先にアートを見つめる重要性が強調され、STEAM教育が重要視されている。市長も両者の連携を歓迎し、デジタルとデザインの連携が新たな動きを生むことを喜んでいると述べた。
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「リリース steam universim」に関する最新情報です。
街づくりシムゲーム『The Universim』がSteamで正式リリースされ、コンテンツが増加しましたが、日本語対応が削除されました。開発元は増大したテキスト量に対応できていないためと説明しており、将来的な対応を検討しています。ゲームは神となり、Nuggetsという人類に似た種族を手助けしながら惑星を開発していくものです。アップデートでは宇宙時代のゲームプレイが拡充され、新たな研究やエイリアン、クエストが追加されました。ただし、日本語対応は現在はなく、ニーズがあれば将来的に対応する可能性があります。
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新潟県妙高市の「道の駅あらい」の東側エリアで、コメダ珈琲店の開発が進んでいます。また、ロードサイドホテルもグランピングの形式で建設される予定です。新潟県妙高市は観光地として人気があり、これらの開発は地域の賑わいを創出することが期待されています。
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