FIT(固定価格買取)が、令和2年は21円/kWhまで下がり、当初と比較すると半額以下に。

もう、太陽光はやめておいた方がいいよね?
でも、電気料金自体はじんわりと高騰し続けており、「自家発電して、自分たちで使う」ことで、かなりお得に過ごすことはできます。

太陽光は設置費用もあるから、結局、お得なのかどうかがわからん!
新潟で、家庭用太陽光発電をすべきか否か、検討していきたいと思います。

画像はソーラーフロンティア様から引用しています。
ソーラーパネルも中国に勢いがあるので、ぜひ日本の会社にも頑張ってもらいたいものです。
太陽光発電のデメリット
メリットはわかりやすいので、先にデメリットからまとめていきます。
では、以下詳細を説明していきます。
① イニシャルコストは半端ない
よく、「10年くらいで取り返せますよ」と言われている、太陽光発電のイニシャルコスト。
設置費用は大体150万円くらいからそれ以上になってくるとされています。

補助金が出るかとは思いますが、最近はZEHの補助金も引き下げられるし、あれは一応2018年までの制度だったので、今後いくらになるかは言及しないでおきます。
太陽光設置についてはどのタイミングでも何かしらの補助はあるかと思います。 無いようであれば少し待つのもいいかも。
簡易のやつなら安いのにね
太陽光パネルを使ってスマホのバッテリーなどを充電するくらいなら、今はだいぶ安いものが出ています。もちろん、売電はできません。

② メンテナンスコストもかかる
年間15,000円くらいだと思ってもらえれば計算しやすいかと思います。
定期点検は基本不要とのことだが
定期点検は不要とのことですが、普段目につかないところで目視による確認が難しい上に、自分で屋根の上に登るのはちと不安。
ほいで、屋外ですから雨ざらしですし、暴風による器質的なダメージも考えられる。
日々劣化は進んでいく。
自分でメンテナンスできない=業者委託でコストがかさむ
ということで、ほとんどの場合、何か不具合があればプロにお願いすることになります。大体4年に1回くらい、2万円くらいかかるとされています。
周辺機器もメンテナンスおよび交換が必要
さらに、パネルだけじゃなく、パワコンなる「電力を使える形にする交換装置」みたいなものがあります。
これも20年では交換が必要。
③ 家自体への負担も大きい
パネルは、今後軽量化に電力創生も最適化されるので、今よりももっと軽くなることが期待されます、んが。

パネル、結構重たいんですよね。
「雨漏り」についての心配もよく聞かれますし、そうでなくても、少なからず屋根への負担は大きいです。 もちろん、ソーラーパネル業界的にはOKとしてますけどね。
新潟だとさらに積雪が入るので負担は倍増
積雪のある地域ではさらに注意が必要です。
もちろん、地域の設置業者に依頼すれば積雪対応をしてくれますが、新築の際には最初から太陽光パネルを載せたことを想定した設計にしておくことがベターです。
④ 制度の変更の影響が大きい
ぶちくまが家を建てる段になって、売電保証がなくなっていく方針となりました。

もともと家づくりにそれほどお金はかけられない状態ではあったので、「逆に即決で不要」となったのでよかったのですが。
ハウスメーカーの方で売電保証(何年間かは固定いくらで買い取りますよ)してくれているところもありますが、それも信用できるものとは言えません。

もちろん、制度の補助がなくとも、自家発電は今後も続くので有用ですけどね。
⑤ 新潟は冬場でも得することあるの?
そもそも、新潟では色々と不便なことがあるのは事実。
積雪が多い地域では、様々なトラブルが想定されております。
まずは先ほども書きました、積雪による重みの増加。これは上の③の家への負担にかかるところですが、積雪によって重みは倍以上となります。
積雪滑落による事故リスク
また、パネルの上って摩擦がないので、雪がスイーっと滑りやすくて、隣の家の窓ガラスまで勢いよく滑り落ちて破壊した、なんて可能性もあります。
積雪による発電量低下
一番大きいのは、積雪により発電量が減る(なくなる)こと。
まぁ、新潟の場合は、そもそも冬の期間の晴れの日を期待できないので、これは事前に想定しておくべきことではあります。
中には、「雪が積もっても晴れているときは発電するよ」と書いている記事も多くみられますが、新潟県民の皆様はご存知の通り、そもそも半分以上は曇りや雨、雪の日となるので山を越えた関東平野の皆様とは比べものにならないわけです。
また、屋根に太陽光パネルを置くことで、「屋根の上の雪かき」がより危険なものとなります。

いや、もうこのご時世、屋根に登って雪かきをする構造にしちゃダメだと思うんだよね
雪止めなど、対策をしっかりとって、あえて太陽光パネルで雪を溶かす・滑らせる方法を検討するのもありなのかもしれませんがね。
太陽光パネルは強化ガラスですので、溶けた水分も合わさって、恐ろしく滑ります。また、雪かきの際に太陽光パネルを破損する危険性もあります。
イニシャルコストが増えることも
また、イニシャルコストも増える可能性があります。
積雪に耐えられ得る太陽光パネルを設置するのであれば、専用のパネルとなりますので、少しお値段が上がります。また、上述したように、落雪対策や雪処理のための設備もあるとより便利でしょう。
市町村のサポート
新潟県内も各市町村がサポートしてくれているので、デメリットを緩和する方法としてはお勧めできそうです。
新潟市が何にもないようなので、ご紹介できないのですが、豪雪地の長岡・上越あたりはちゃんと支援制度が充実しているようです。
団体名 | 制度名称 | 助成制度の概要 | ||
方法 | 対象 | 限度額・利率 | ||
長岡市 | 省エネルギー設備等設置事業補助金 | 補助金 | ・市内に住宅を有する者または住宅を新築する者(建替え・購入を含む。マンション等集合住宅も対象。)で、当該住宅に太陽光発電設備を設置する者
・市税の滞納がない者 | ・補助率:導入経費の1/3以内
・限度額:1kWあたり5万円、5kWまで |
上越市 | 環境保全設備整備促進事業補助金 | 補助金 | 市内の住宅に住宅用太陽光発電システムを設置する個人(受給最大電力が10kW未満のもの) | 太陽電池モジュールの最大出力値1kWあたり4万円(上限12万円) |
上越市 | 住宅リフォーム促進事業 | 補助金 | ・市内に居住し、本市の住民基本台帳に記載されいる方、または個人が定住を目的に空き家住宅を再生する方(市外の方も含む)
・市税を滞納していないこと ・リフォームする住宅に住宅用火災警報器が設置されていること ・公共下水道等の共用開始区域内に住宅がある場合は、公共下水道等に接続済み、又は当該工事で接続すること ・申請者が所有し、かつ居住している市内の住宅等(個人が定住を目的に再生する市内の空き家住宅含む) ・市内に本社を有する法人又は住所を有する個人事業者が施工すること | 太陽光発電システムの設置・交換工事費の20%(上限10万円) |
市町村の太陽光発電導入に関する支援制度【一般住宅】はこちらをご覧ください。(Excel形式 56 キロバイト)
この他にも、以下の地域では平成30年度は支援制度があるようなので、ぜひご活用ください!
太陽光発電のメリット
ここからは、太陽光発電によるメリットを説明していきます。
①電気が造れる、売れる
太陽光パネル自体の性能も上がっているので、このメリットがどんどん強化されていくことでしょう。

その一方で、売電価格の固定買取額は年々下がっていますけどね
一般家庭では月に15,000円程度お得になるというデータもありますが、これはもうそれぞれの家庭と設置場所によるところがあると思う。

ぶちくま家みたいに、2世帯だったり、割合屋根面積を広く取れる家、管理のしやすい平屋なんかにすると、また変わってくることでしょう。
オール電化の方がメリットを享受しやすい
電気への依存度もあります。オール電化にしていれば、一番恩恵を受けやすいでしょう。
また、現在、原子力発電も縮小していく傾向にあり、そもそもの電気生成については見直されていく世情となっています。

安定した電力供給を受けるためには、自分たちでも電気を作る→ZEHにつながっていくわけですね。

売電価格の変遷
年度 | 10kW未満 | – |
– | 出力制御対応機器設置義務なし | 出力制御対応機器設置義務あり |
2017年度 (参考) | 28円 | 30円 |
2018年度 | 26円 | 28円 |
2019年度 | 24円 | 26円 |
2020年度 | 21円 | 21円 |
調達期間 | 10年間 | 10年間 |
令和2年度(2020年度)の調達価格及び調達期間についての委員長案
売電価格計算方法
計算方法がよくわからないかと思いますが、基本的には一般家庭では10kW未満となります。試算としては2018年度は26円に、売電できる量が、だいたい電力消費量の7割程度と考えるのが妥当です。
つまり、計算式は以下の通り。
26円×約4,000kWh=104,000円
参考値に参考値を掛けて計算しているので、かなりアバウトな数字ではありますが。
さらに、新潟県などの雪国の場合は冬季には思ったような発電量にはならないことも想定しておきましょう。

ハーバーハウスのソレイユでも売電価格の参考値を出しているけど、新潟県の会社でありながら積雪を考慮しない値で出しているのはちょっと不親切かな。
ついでに太陽光発電もふまえたお勧めの住宅会社は
ハーバーハウスはお勧めのハウスメーカーですが、この点は少し残念でしたね。
2018年は他にもお勧めのハウスメーカーをまとめています。ご参考になれば。イシカワのGROWなんかに太陽光を載せてもいいと思います。
だいたい発電量ってどんな感じなの
あくまでも参考値です。
項目 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
日数 | 31 | 28 | 30 | 30 | 31 | 30 | 31 | 31 | 30 | 31 | 30 | 31 |
日射量 | 1.73 | 2.62 | 3.67 | 4.52 | 4.85 | 4.48 | 4.55 | 4.91 | 3.87 | 3.37 | 2.25 | 1.56 |
発電量 | 261.2 | 339.3 | 529.1 | 654.7 | 721.2 | 630.6 | 620.4 | 678.8 | 517.6 | 476.0 | 291.7 | 229.1 |
やはり、冬季の日射量が減るのが残念なところです。
ただ、意外と夏場は日射量が稼げるので、年間を通せば差は少し縮まります。

②蓄電池とのダブルコンボ

今や蓄電池も性能が上がっており、ほとんど電力的なロスがない状態で蓄電池が使用できます。
これも導入・維持にはお金がかかりますが。
売ることを想定しなくても、自分たちで使い切る分を昼夜関わらず電気を使用できるのはいいことです。
③電力自由化により売電価格が見直される可能性も
東北電力など、これまでの電気会社は太陽光売電価格を引き下げる方針できていますが、世の流れは電力も自由化。

(減る可能性もありますが)売電価格が見直されて、より高価格で電力が売れる時代となる可能性があります。
基本的には売電価格は下がる見通し
売電価格は下がるという見方が主流です。今までは、高い売電価格は、国民全体が電気料金に上乗せして負担している「再生可能エネルギー促進賦課金」があったから実現していました。今は、電力自体は高騰していますが、買取価格は適正価格に向けて下がり続けています。

自家消費の方がお得なので、家庭用蓄電池の需要が高まっているのは、そのためですね!

民間電力会社の新規顧客獲得
民間の電力会社の顧客獲得のキャンペーンとして、電気の買取価格を高めに設定している場合があります。

卒FIT(固定買取が終わったあと)、電力会社の顧客の移動が激化します。この際に新規顧客を獲得したい民間の電気供給会社は、「電気買取価格」を餌に、顧客獲得を狙っています。
太陽光発電に関する基本的な情報
太陽光発電に関する情報を自由に書きすぎたので、少し手直しをしてまとめます。
再生可能エネルギーと組み合わせる
京都議定書の目標となっていた2020年が終わり、2021年からは2030年のパリ協定で掲げられた「脱炭素社会」に向かって本格的に動き出すことになります。新しいエネルギーについては別記事でも紹介しています。

また、家づくりに関してのエネルギーの考え方についてもまとめてみました。

再生可能エネルギーという言葉の認知度は高まりましたが、「実際、何なの?」と聞かれて答えられる人は少ない。最低限、家づくりに関するエネルギーの話だけは知っておくと「未来で損することはない」ということで、簡単に情報をまとめておきました。
家庭用燃料電池と太陽光発電の関係
家庭用燃料電池としてエネファームの利用が進んでいますが、水素を使った家庭での発電には注目したいところです。
W発電としても注目されていましたが、「電気を作る家」とする場合は、自宅でエネルギーを全て賄うつもりであれば燃料電池の併用はありだと思います。

一時期は「オール電化」にして電気で全てをやりくりすることも考えましたが、天然ガス利用という既存のシステムを活かした「水素社会」の実現のことを考えると、電気以外のエネルギー源にも注目したいところですね。

最終的には、家電の利用などで「電気」というエネルギーの汎用性は高い。電気の作り方を工夫することが大事ということですね。

地熱発電と太陽光の関係
地熱発電に関する情報はこちらにまとめました。

地熱発電は、個人で取り組めるものではありませんが、自治体などで電気共有できる地熱発電施設ができるなら、家庭に太陽光発電は不要になるかもしれません。
今まで話がなくても、これからの社会、再生可能エネルギーを取り入れために背中を突かれている状況です。お住まいの地域が既に「温泉」などで地熱を利用している場合、少しだけ未来のことを想像してみてはいかがでしょうか。
地中熱利用
地中熱と地熱がややこしいですが、地面の中は温度変化が少なく、地上との温度差を利用して冷暖房や給湯などの省エネに貢献することができます。
太陽光発電では家庭の電力を全て賄うことはできないかもしれません。消費電力を抑える施策とは相性がいいと思うので、地中熱利用の並行は十分に検討範囲内です。
地中熱を家づくりに役立てる情報についてはこちらにまとめてあります。

小型風力発電
自宅に風力発電は実現可能性は低いですが、我々新潟県民は「冬場の日射量は期待できない」ため、太陽光発電と太陽熱利用が難しい地域と言えます。少しでも発電の助けにならないかと、風力発電についても調べてみました。

太陽熱利用
太陽光を期待できる地域の場合、太陽光発電だけではなく、太陽熱を利用することも可能です。太陽熱利用は昔から存在する技術ですが、太陽光発電との相性も考えてハイブリッドに活用する方法についても開発が進められています。

新潟における太陽光パネル設置まとめ
新潟においてはデメリットも大きくなりますが、「自分で電気を創る」ということにメリットを感じる方は、ぜひ太陽光発電を導入することをお勧めします。
ZEHという、自分の家のぶんの電気は自分たちで作ろう、という国の政策もあります。
売電によるメリットについて考えると、今後はあまり高価買取はないだろうなぁ、と二の足を踏むところですが。
安定した電力供給や、社会情勢の変化に左右されない家づくりを考えれば、太陽光パネルはあり、です。
ただし、あまりに設置条件が悪い家に関しては、設置しない方がお得な場合は多分にあるので、設置会社と相談してみることをお勧めします。
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