家づくりで「再生可能エネルギーを利用するシステムは将来的に持っておいた方がいい」という結論に至りました。
とはいえ、太陽光発電が利用しやすい再生可能エネルギーと言われながら「でも、新潟県だと冬場の晴れ間なんて珍しいし損するよね」ということで見送り。地熱発電は温泉掘る以上にハードルが高いとして問題外。
ただ、風力発電に関しては、「敷地」と「騒音」さえクリアできれば、それなりに発電できそうな感じがしましたので、情報共有しておきます。



個人宅に風力発電システムは組めるのか

根本的に、敷地内とはいえ勝手に風力発電の風車なりを設置して良いのか、調べてみました。
法律的な課題
私は法律の専門家ではないので、風力発電に興味がある場合は自治体や専門家にご相談ください。
結論としては
結論から言えば、家庭用風力発電システムと銘打つくらいのサイズ感で、自分で使用する分であれば許可すら必要ないパターンが想定されます。
とはいえ、小型であれ発電設備を用意する場合は、事前に自治体と相談してみるのが無難だと思いますが。騒音などの問題もありますし。
関連しそうな法律
あくまでも、私がネット検索しながら「あっ、これは関連しそうだな」と思ったくらいの情報精度です。
建築基準法
支柱が15m以上は建築確認が必要
航空法
60mより高いものは航空法が適用
消防法
発電設備は不燃剤を使用
電気事業法
各種届出が必要になる可能性あり
騒音規制法
住宅地の場合、騒音の規制値内であるか確認する。低周波音に関して規制はないが近隣トラブルの原因になる可能性はある。
技術的に可能か
技術的には可能です。後述しますが、立地条件と気象条件さえ整って、かつ自前ですでに蓄電ユニットを組んでおり、かつ太陽光発電とも組み合わせたりした場合、効率よく発電が可能になります。
資金的な課題
資金、いくらくらい必要なもんなのでしょうかね。
イニシャルコストを考える
資本費を考える
現在、太陽光発電の個人宅用ユニットがざっくり30万円/kW近くまで下がってきています。安くなりましたね。


これに対して、風力発電は34万円/kWなので、「あっ、案外安い?」と思ってしまいますが、現在実用レベルで稼働しているのは大型風力発電なので、個人用に関してはまだまだ市場は熟成しておらず発電システムの価格や工事費用はこんなレベルではなさそうだな、という感じです。
風車代を考える
実際、どんなもんがあるんだろうと検索してみると、とりあえず風力タービンは安価にあったので発電は可能。
あとは、パワーコンディショナーや分電盤などを通して「蓄電」するか、あるいは(難易度は高いが)接続契約して売電するか、という流れになると思います。風力発電用のパワーコンディショナーの認証制度がない、という状態が改善されていれば良いのですが、どうなんでしょうか。
原因としてNEDOが挙げるものは2つ。風力発電用の部品が標準化されていないことと、風力発電用のパワーコンディショナーに認証制度が存在しないことだ。部品が標準化されていないと、部品の組み合わせが複雑になり、量産効果も働きにくい。風車本体のコストが高止まりしてしまう。パワーコンディショナーの認証制度がないと、電力会社との協議に時間がかかる。いずれも小形風力の導入を抑える方向に働く。部品の共通化と、認証取得の迅速化が必要だ。
https://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/26/news079.html
小型風力発電のコスト
小型風力発電は、(20kW未満)のものを指しますが、この20kWにもだいぶ幅があると思うので意外と大きいということだけお伝えしておきます。風見鶏なんかを想像していると痛い目にあう。
- 資本費は平均値は 141 万円/kW、中央値は 136 万円/kW
- 運転維持費の平均値は 2.5 万円/kW/年、中央値は 2.6 万円/kW/年
風力発電と他の再生可能エネルギーとの相性は
京都議定書の目標となっていた2020年が終わり、2021年からは2030年のパリ協定で掲げられた「脱炭素社会」に向かって本格的に動き出すことになります。新しいエネルギーについては別記事でも紹介しています。

また、家づくりに関してのエネルギーの考え方についてもまとめてみました。

再生可能エネルギーという言葉の認知度は高まりましたが、「実際、何なの?」と聞かれて答えられる人は少ない。最低限、家づくりに関するエネルギーの話だけは知っておくと「未来で損することはない」ということで、簡単に情報をまとめておきました。
家庭用燃料電池とは併用できる?
家庭用燃料電池としてエネファームの利用が進んでいますが、水素を使った家庭での発電には注目したいところです。
風力発電とは相性がいいと思います。電力を作ることを念頭に風力発電システムを個人用に作ろうとしているわけなので、家庭内のエネルギーがまかないきれない場合に燃料電池の利用は効果的です。コストを度外視すれば、ですけども。

地熱・地中熱の利用は並行すべきか
小型風力発電の目的は「家庭の電力を賄う」ことになります。地中熱に関しては「消費エネルギーを抑える」効果が高いので併用は十分検討できます。
地熱発電に関しては、自治体での取り組みになるので、いっそ「風力発電」も合わせて自治体で全てのエネルギーを作り出してもらい、そこに住民が投資する、という形がいいような気はします。
地熱発電
地熱発電に関する情報はこちらにまとめました。

地中熱利用
地中熱と地熱がややこしいですが、地面の中は温度変化が少なく、地上との温度差を利用して冷暖房や給湯などの省エネに貢献することができます。
地中熱を家づくりに役立てる情報についてはこちらにまとめてあります。

太陽系エネルギーとの関係
太陽光発電の併用は一番考えやすいところだと思います。仮に、風力発電が売電できる環境であれば、風力発電分を電気系統接続して売電した方が利率は高まります。この辺りはFITとの兼ね合いになるので、期間限定で考える必要はあります。
太陽光発電
太陽光は年中安定して利用できるエネルギーではなく地域格差が生じるので「冬も晴れ間が広まる地域が羨ましい」と指を加えてみているだけですが、そんな太陽光発電に関する情報も別記事にあります。

太陽熱利用
太陽光を期待できる地域の場合、太陽光発電だけではなく、太陽熱を利用することも可能です。太陽熱利用は昔から存在する技術ですが、太陽光発電との相性も考えてハイブリッドに活用する方法についても開発が進められています。

個人宅用に小型風力発電システムを利用するメリット

根本的に、小型風力発電システムを自宅に設置して得することはあるのか、というあたりの情報を知っておきたいですね。
電気代は得するか
損得の話になると、イニシャルコスト・メンテナンスコストとの比較になりますが、この辺りは一旦はしょります。
「自分で使用する」場合に関しては、電気代よりも「設置工事」「メンテナンス費用」などでコスパは思ったよりも悪いと感じるところだと思います。ただ、風力は変換効率は高いエネルギーであるため、家庭サイズを意識した製品で風力事業が熟成を迎えれば、相応のコスパになりそうです。
あるいは「固定価格買取制度」などの支援などがあれば元が取りやすくなると考えられます。また、将来的に電気代が高くなるリスクはあるので、総合的に「電気代」を評価するなら、「機は熟してはいないが先陣を切ってトライする価値はある」くらいの感じだと思います。
一般の人は「試しにやってみた」という経験を売り出すことは難しいですけど、YouTuberやブロガーなどの情報発信者の方が率先してやってみると、将来的に情報を求めたフォロワーから集金できるので、将来性を考えても個人で風力発電システムを組み上げるメリットはあると思います。
想定される発電量
小型の風力発電は1kWの出力であると仮定します。売電は考慮せずに余った分は蓄電するのが効率良さそうですが、参考までに売電価格も載せておきます。
東京電力-従量電灯B-電力量料金
電力消費量(kWh) | 1kWhあたりの値段 (円・税込) |
120kWhまで | 19.88円 |
120kWhを超えて300kWhまで | 26.48円 |
300kWh以上 | 30.57円 |
2021年度(令和3年度)の売電価格
- 10kw未満:19円/kwh(税込み)
- 10~50kw未満:12円/kwh(税抜き)
- 50~250kw未満:11円/kwh(税抜き)
大体、1kWhあたり20円で考えて試算してみるのが良さそうですね。あとは、何機用意するかで単純な掛け算になります。
どれくらい稼働できるのか
風力発電は、環境依存ですので「風が吹くかどうか」で発電量が決まります。そして、「風が弱すぎても」発電しないし、「風が強すぎ」た場合は発電しない上に故障リスクが高まるので風力の考え方は結構難しい。
太陽光発電の隙間を埋める
曇りでも夜でも風は吹くので太陽光よりも時間的な制約はないと言えますが、根本的に「無風」であれば発電しません。
さらに、風が強い場合は、風車が破損する危険性がある上に、故障を防ぐために風車が止まるようになっている設計になっているものもあります。家庭用の場合は簡易な風力タービンが使用されると想定されるので、故障するし発電しないという可能性は十分に考えられます。
事前に風速・風量を測定できるモニターである程度の概算を立てることをお勧めします。
メンテナンスはどれくらい必要?
風力発電以外にも発電システムを組み合わせて利用する方法が考えられますが、蓄電のためのシステムを抜きに考えても、風力発電装置だけでも故障リスクは相応にあります。
将来的には、風車部分などのパーツを簡易に取り替えられるようなモデルも登場することが期待されるので、「壊れたから使えない・全とっかえ」というようなコスパの悪いシステムにはならないとは思います。ただ、現状、家庭用風力発電はそれほど流通していないので、まだまだ事業としては熟成していないため、設置もメンテナンスもコストがかかると考えています。
個人風力発電システムは自作できるのか
自作はできます。ただ、DIY趣味の範囲と割り切る簡易なものから、将来性を見込んでの投資という幅広い範囲での「風力発電システム」が想定されます。
風力発電に必要な仕組み
風力発電の仕組みを(素人が)簡単に説明します。
- 風の推進力(運動エネルギー)を翼で受けて風車を回す
- 風力タービンが回転エネルギーを発電機に伝える
- 「倍速機」などで発電効率を高める
- 電気エネルギーに変換する
すごくシンプルに言えば、こんな感じで風の運動エネルギーを電気に変えています。
自転車のライトが運動エネルギーを光にかえているくらいですから、自転車を漕ぐのを風がやっているくらいに考えてれば実に簡単です。
問題は、風のエネルギーを無駄なく、しかも家庭用の電源として利用可能な形に落とし込むか、というところだと思います。
変換効率を知る
風力発電では、風の運動エネルギーの最大30%〜40%を電気エネルギーに変換することができます。

ちなみに、太陽光は約20%、水力は約80%、地熱発電は10〜20%であると考えられているので、発電効率だけを見れば優秀です。
発電効率を比較!再生可能エネルギーで最も発電ロスが少ないのは?
民生用小型風力発電システムの基本を知る
家庭での利用を考えると、小型で簡易な工事で取り付け可能な取り回しの良い風力システムが必要になります。
大きめの風力発電システムの場合、風力が5〜6m/s必要なのですが、小型化された風力システムの場合はより少ない風力(弱風)であっても利用することができます。
小型風力発電のメリット
- 弱風での発電が可能
- 騒音が減る
- 場所の制約が少ない
- 比較的安価
- 設置が比較的容易
- 太陽光など別の再生可能エネルギーとの組み合わせも視野
エアドルフィンという製品が完成度高め
いろんな製品がありますが、国内産でかつ家庭でも実用レベルに使えそうな商品を拾い上げてみます。
産学官の共同開発プロジェクトから生まれた定格出力1kW~1.1kWの汎用小型風力発電機。エアドルフィンは、ゼファーの長年の小型風車に関するノウハウを結集させた世界最高レベルの風力発電機です。小型ならではの特長を生かし、大型では実現不可能な軽量化に成功、発電効率を高めることに成功しました。
https://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.lg.jp/chushou/shoko/sougyou/trial/list/h22/11/
参考価格(税込)
1,575,000円~14,700,000円
家庭用の小型風力発電機を作っている人
家庭用の小型風力発電機を作っている方がいました。エアドルフィンがかなり出来が良かったので、個人開発で太刀打ちできるのかな、と思うところはありますが、発想を企業が買い取って還元したり発展したりする方向性もあるのかな、と思うので共有しておきます。
クラウドファンドで開発資金を募っているケース
ただ、ここで紹介されているように、実際に我々が「風力発電やってみたいな」っていう時は、テレビアンテナをつけるくらいの感覚で設置できるものだと思います。家庭用蓄電池は一般的に販売されていますし、要はここに出力できる電気エネルギーとして風力が簡単に活用できれば良いわけですね。
特に、「既に太陽光発電のために蓄電システムが組み込まれている」過程の場合、太陽光にプラスして「風力もやってみよう」という感じで、コンセントを付けたすくらいの気軽さで風力発電がプラスできることが望ましいと思います。技術的には可能ですし。
つまり、今後は家庭用で再生可能エネルギーを取り入れる場合は、蓄電用のシステムに拡張していく形で「風力」「太陽光」「地中熱」「燃料電池・水素発電」などを、気候や自宅環境に合わせて取り入れていくことが大切になりそうですね。
安価で自作した事例
簡単に内容を書くと、「アルミニウム版」と「自動車用交流発電機」を利用して、自転車の車輪につけて回転させて発電するというもの。あるもので作れる、というのは素晴らしい着眼点ですね。
3,000円で風力発電できちゃった!?ひとりの発明家が考案したオープンソースなマイクロ風車プロジェクト
自宅からの風力売電は可能か
太陽光発電と同様に、固定価格買取制度を利用することは可能です。ただ、事業としての風力発電を対象としたものが一般的なので、50kW未満の家庭用太陽光発電のような「代行申請業者」の登録だけでは済ませられないので面倒です。
現在は「風力発電事業」の大型案件が主流
個人でやるよりも、もう事業として立ち上げて申請した方が良さそうな案件ですね。もう少し簡易な風力発電システムが開発されて普及の目処がたてば、太陽光発電と同じように申請も簡易化されそうな気はします。

低コストで運用可能なレベルの風力発電は大型事業のものでしたからね。設置コストとメンテナンスの簡便化が図れれば、太陽光と同列にはなりそうな気はします。
風力発電の売電に関する情報

価格目標
・20kW以上陸上風力:2030年までに、発電コスト8~9円/kWhを実現、FITから自立した形での導入を目指す。・20kW未満の小型風力発電:導入動向を見極めながら、コスト低減を促し、FITからの中長期的な自立化を図る。
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/kaisei/fit_2017setsumei.pdf
・洋上風力発電:導入環境整備を進めつつ、FITからの中長期的な自立化を図る。
入札制度
まだ風力発電は入札の対象エネルギーとはなっていません。
入札制度については、新FIT法上、経済産業大臣は、①買取単価について入札を行うことが国民負担の軽減につながる際に、②入札対象の電源区分等を指定することができ、その際には、③入札実施指針を策定することとしている。
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/dl/kaisei/fit_2017setsumei.pdf
風力売電は何をしたらいいの?
私が読み込んだ感じだと「経済産業局」の認定と、電力を買い取ってくれる電気事業者との接続契約なんかがまとまれば売電できそうな感じはします。
申請の流れ
電力売電の申請フロー
- WEB上で申請情報を入力
- 登録画面を印刷したものに必要な書類を添付
- 各経済産業局に発送
これはFITの申請フローなので、認定が降りたとしても売電する電気事業主(総配電事業者)との契約が必要になりそうな気はします。この辺りは「太陽光発電」などのフローが分かりやすいと思います。


認定の基準
- 事業の内容が基準に適合すること
- 適切に保守点検及び維持管理するために必要な体制を整備し、実施するものであること
- 外部から見やすいように事業者名等を記載した標識を掲げるものであること(太陽光20kW未満除く)
- 設置に際し要した費用、運転に要する費用、発電量等に関する情報について経済産業大臣に提供するものであること
- 発電設備の廃棄その他事業を廃止する際の設備の取扱いに関する計画が適切であること
- (バイオマスの場合)発電に利用するバイオマスを安定的に調達することが見込まれること
- (地熱の場合)地熱資源の性状及び量の把握を運転開始前から継続して行うこと
- その他の必要な措置を講ずること
- 事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれること
- 接続することについて電気事業者の同意を得ていること
- 設備が基準に適合すること※ほぼ現行を踏襲
- (1~3共通)関係法令(条例を含む)の規定を遵守するものであること
風力発電トピック
- 風況、落雷、着氷等の気象条件等についての事前調査の実施風力
- 適切な保守点検及び維持管理の実施(電事法の規制が緩い20kW未満も対象)
風力発電と投資
風力に関しては、個人宅に取り付けるよりは、投資として考えた方が現実的かもしれません。当サイトはどちらかといえば「家づくり」よりの情報をお届けしているので、ここはざっくりとまとめます。
風力発電事業は投資先としては堅実か
脱炭素社会を目指す上で、再生可能エネルギーの需要は急速に高まると考えられます。今後、風力についても研究・開発が進んで、より低コストでの設置が可能となり、かつ発電量に関しても高効率になっていくことが考えられます。
国としても、2030年までに風力発電を1.7%まで増やすことを目指しています。
件数としてはこれから安定して増えていくと考えられ、補助金などの公的支援も得られやすい分野です。
成功事例を調べる
まだ、成功したとは言えないところですけど、どんな事例があるのかは簡単に調べておきます。
イギリスの成功例
地理的環境が似ているといえば似ているイギリスでは、風力発電業界が発展・成長し続けています。
イギリスにおけるメガプロジェクトの検証海外事例から洋上風力発電の普及を考える
日本の自治体

我らが新潟は風力発電が盛んです。確かに、村上あたりから新潟市内に海岸線を通っていくと大型の風車が散見されます。あれ、結構圧倒されますね。

上記自治体の取組は「洋上風力発電」なので、さらに大規模な開発工事に発展していくものと考えられます。

既に事業として先発している国もある中なので、日本独自の技術力の発展などは考えづらいのかもしれませんが、再生可能エネルギー事業に遅れをとらないように、成功例が増えることを願うばかりです。
利回りは期待できるか
再生可能エネルギーの発電量を増やすためにも、風力発電に期待する声はそれなりにあるということですが、じゃあ、実際に投資に値するような利回りは期待できるのかという話をします。
買取価格が維持できれば高利回りが期待、できた
過去形ですが、2012年から2016年に登録された小型風力発電では、買取価格が55円/kWhで固定されています。将来的には20年間の固定買取期間(FIT)が終了し値下がりすることを考えると長期投資としての魅力は半減以下となります。

ちなみに、2020年の(陸上)風力発電の買取価格は18円/kWhとのことですので、今後も値下がりは考えられます。
どのエネルギーも買取価格での利回り維持は期待できませんが、仮に自分で利用することを考えたり、地域での利用を考えれば悪くはなさそうですけどね。
10%が維持できれば儲けもんか
投資という観点でいえば、風力発電では10%の利回りが期待できる、らしいです。いろんなサイトを眺めただけなので、根拠には乏しい情報ですが。これが5%くらいまで落ちてもまだ投資としては成り立つとも考えられます。
ただ、風力発電は環境に依存するので、安定して風量を維持できるかどうかは疑問です。イニシャルコストが高い上に、メンテナンスも必要、さらに機器の劣化により発電効率も影響を受けることを考えると、リスク面でも他のエネルギーよりも高いんじゃないかな、と思います。
投資以上の付加価値を考える
利回りで考えると、私と見解としては「今後下火」になると考えています。というのは、小型風力発電がうまくいけば家庭レベルの範囲に普及が期待でき、大型事業としての投資価値は下がる。つまり、投資するなら「メーカー」に対しての株式投資の方が堅調な気はする。
さらに、ZEH基準などで家庭内の省エネ効果が高まったり脱炭素に向けた取り組みで社会全体のエネルギー消費が抑えられる方向に舵が取られれば(逆にエネルギー転換のために電気は必要になりそうなだけど)、エネルギーの必要量(需要)が下がる、かもしれない。

ただ、世界各国に産業で立ち向かうなら、エネルギーを減らす=生産性を落とすことは考えづらいですけどね。エネルギー投資はやっぱり重要。

市民風車という考え方
風力事業への投資は、一般企業の株式投資とは異なり、公益性の高い投資だといえます。かつ、FITなど固定買取などの優遇措置もあるので、現在のところは利回りのいい投資とも言えます。
しかし、売電価格が安定し、かつ「各家庭での消費電力が実質ゼロになった」未来を考えると、風力発電投資の利回りは下がることを想定しなければなりません。
また、事業としての風力発電は設置する地域が利害を共有することも考えなければなりません。地熱発電ほどの大掛かりな開発ではないにせよ、地元住民にとって「害」となる事業であっては、長続きしません。
景観の変化や騒音などの「わかりやすい公害要素」はなるべく排除したいところですが、風車はどうしても「目につきやすい」上に「低周波音」が発生します。
このリスクをなるべく緩衝するためにも、ただの投資ではなく「地元市民を巻き込んだ市民風車となる事業」に発展すべきです。
環境創造における社会のダイナミズム風力発電事業へのアクターネットワーク理論の適川
風力発電における地域住民とのトラブル要因
- 騒音・低周波音
- 水質汚染
- 景観
- 野鳥保護・バードストライク
- シャドーフリッカー
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