- 換気扇は「電気代がかかる」「うるさい」という理由でオフにしがち
- 最近の住宅は24時間換気システムが導入されている
- 新築の際には換気時の「熱交換」にも配慮する
このページでは、なんだかよくわからないけど家のいたるところについている、換気扇のことについてお伝えします。24時間換気システムなるものを調査しました。

これ、電源切ってはいけないって知ってました?
気になる理由も調べてみました。
換気扇と24時間換気システムの違いについて
換気扇は昔から家についている、あの扇風機みたいなやつですよね。では、24時間換気システムというものは、普通の換気扇とどのように違うものなのでしょうか。

我が家には、なんだか白い箱のようなものが各部屋につけられているんだけども、これは一体なんなのか。
換気の基本的な知識
まず、最初にざっくりと「換気」について解説します。
3種類の換気方法がある
換気といえば「窓を開ける」か「換気扇を回す」くらいで、我々の換気行動の選択の余地は少ないのですが、家を建てる場合においては「計画的換気」が結構重要です。
2021年現在は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「換気方法」についても社会全体で見直される動きとなりました。

私個人としては、医療従事者だったので、患者の感染のためにどのような空気の流れにするべきか、というところは基本的な知識としてありましたが、社会全体に換気と感染の影響が周知されたのは、家づくりにおいては勉強になる出来事になったと思います。
さて、換気方法は大雑把に分けると3種類存在します。
どの方法にせよ換気扇のような「機械」によって空気を強制的に吸い込んだり吐き出したりすることで空気の流れを作るのですが、「吸うだけ」なのか、「吐き出すだけ」なのかで種類が違うのです。
第一種換気
第一種換気は、給気・排気ともに機械でコントロールします。機械によって能動的に空気の流れを作れるので、空気循環としては安定しており、家や人への影響も少ないのが利点ですが、設備が複雑になり電気代も必要で、かつフィルターなどの交換費用もかかるので何かとお金のかかる換気方法になります。
第二種換気
第二種に関しては住宅の換気方法として利用されることはほぼありません。第二種換気では給気を機械的に行うので、家の中に空気が溜まり陽圧となります。空気は家から押し出されるようにして開けた窓や隙間から押し出されて自然に排出されます。
仮に家の中を完全に出口が塞がれた高気密住宅だと仮定すると、家が風船のように膨らむようなイメージになります。
第三種換気
第三種換気は、排気を機械的に行います。スポイトをぎゅっと潰した状態に近いので、隙間や出口から空気を吸い込むようなイメージになります。
例えば、空気感染の可能性がある場合には、第三種換気によって部屋内を陰圧にすることで、感染の可能性がある飛沫核・ウイルスなどを外に出さないようにする時に使用されます。
一般家庭においても、第一種換気のように大掛かりな換気方法を用いる必要がない場合には、簡易な換気方法として第三種換気が利用されます。トイレやキッチンの昔ながらの換気扇は第三種換気になるので、想像はしやすいと思います。

例えば、トイレに第二種換気で外から空気を取り入れると、トイレ内の空気が押し出されて家中にトイレの匂いが広がっていくようなことになってしまいます。
昔ながらの換気扇は空気を中から外に吐き出す第3種換気方式
昔ながらの換気扇は、いわゆる「第3種換気」に当たる換気方式となります。
第3種換気方式では、家が空気を吐き出した状態が維持されるので、家の中が真空状態(陰圧)になるイメージです。
そのため、家の隙間から外気を吸い込む、自然と外の空気が家の中に流れ込んでくる形で、換気が行なわれています。
第3種換気のメリットとデメリット
この普通の換気扇のメリットとデメリット、あまり考えたことないかもしれませんが。
第三種換気のメリット
- イニシャルコスト、つまり設置のためのお金が安くすみます。
- ランニングコスト、電気代も安くすみます。

住宅会社でも第三種換気を採用しているところは多いですね。

よほどの高気密住宅でもない限りは、計画排気と自然給気で換気は行えるわけですね。
第三種換気のデメリット
- 空調で整えた空気の温度、これがそのまま外に流れでます。対策しない限り、空調による電気代は高くなります。
- 外の空気が汚れている場合、空気が外から流入するため家の中の空気が汚れます。

私のような田舎に住んでいると、外の空気が汚れているという前提にはないのですが、地域によっては家の隙間や窓から外の空気が入ってくることをよしとしないところもあると思います。

私は虫が無理ですね。小さな虫が隙間から入ってくることは仕方がないのですが、その時点で家の気密性には疑問符がつきます。
最近主流の第1種換気は何がすごいの?
これはいわゆる機械で強引に吸気と排気を同時に行う第一種換気なるもので、家の中の空気圧は一定に保たれやすい。
ちなみに、先ほど換気扇のところで説明しました、第3種換気は陰圧になります。
第三種換気だと陰圧になって汚れた空気を家に引き込む
空気を引っ張ってくるので、外の空気が中に流れ込む、感染病患者がいれられたりする病室なんかに使用されたりしますね。つまり、菌やウイルスを病室の中にとどめておくために使われます。
家の外を「不潔=汚れた空気が多い」と考える場合には、第三種換気だと汚れた空気を吸い込む家になってしまいます。環境汚染が激しい地域などは、第一種換気にして引き込む空気に対してフィルターなどを用いたほうが安全だと言えます。
第二種換気だと逆に家の空気が外に出て行く
逆に陽圧になると、家の空気が外に出ようとするもので、無菌室やクリーンルームなんかに使われたりします。
完全に除菌できるフィルターさえ用いれば、家の中は悪い空気を入れたくないので、やや陽圧よりがいいということになる。あまりそれは日常生活では大差ない。
第3種換気方式がいいという情報もあるので、どれがいいかはしっかりと考えてみるとよいですね。少し記事が長いのですが、第3種換気をお勧めしている方のブログです。
電気代が安いこと、メンテナンスが楽なことを理由に挙げています。
24時間換気を続ける必要性・理由
調べてみるとお風呂に関しては、基本的には24時間換気でオッケーというのが一般的な見解。
理由として、カビが生えやすいし、新築の大敵結露に対しても予防効果があるからです。お風呂のカビの原因について調べた記事もありますので、こちらも参考にして見てください。

シックハウス症候群の予防
24時間換気扇の役割は、今までの換気扇の使用方法のように「臭いが気になる」「お風呂場の除湿」という目的だけではありません。
最近の住宅では、断熱・気密性能が高まっていて計画的な換気の必要性が高いのもあるのですが、住宅設備などから生じる接着剤などの合成物質によるシックハウス症候群の予防効果もあるのです。

というよりも、根本的に換気だけしても臭いの原因物質がなくなるわけではないので、こまめなお掃除で臭いの原因菌を増やさないことの方が大切です。

もちろん、温度や湿度を調整できたほうが、菌の繁殖を防ぐ効果はあるので、いずれにせよ換気を止めることにメリットはないですね。
換気のデメリットは「熱のロス」
換気のデメリットと言えるのは、せっかくエアコンで調整した空気が外に逃げてしまうこと。あるいは冷気や暖気を家の中に入ってきてしまい、空調効率が悪くなってしまうことです。
高気密、高断熱にすればするほど、空気の流れを人工的に作り出す必要があるので24時間換気の必要性が高まる。しかし、換気によって冷暖房効果が帳消しになってしまい、「熱のロス」が生まれてしまう。

最近の高性能住宅は、熱のロスも無くなるような換気システムを採用していますね。

そうなると、高性能住宅っていうのは、本当にあちこちにお金をかけないといけなくなってくるんだね。
熱交換換気で対策できるので導入必須
もちろん、企業様はご存知でありますので、対策として熱交換換気なるシステムを導入しています。一条工務店あたりが一番わかりやすく説明してくれたので、一条工務店の展示場に行ってみてみるのが一番わかりやすいと思います。
一条工務店の展示場にいきますと、必ず紹介されるのが、なにやら怪しい謎の扉。物置のようにも見える、その扉を開けますと、SF的にでかいダクトが隠されております。

換気システムを集約させ、冬場であれば外から入ってくる冷気(吸気)を、外に出ていく暖気(排気)で温めるという代物。ちなみにロスガード90というらしい。

えっ、それってすごくね、と思うのが、この90というのは90%の熱量を交換できますよ、という意味合いだからです!

こういう大掛かりなギミックを家に取り込むと、その管理は大変そう。
つまり、家に張り巡らされたダクトを交換する必要が出てくるし、フィルターも専用のものを買わないといけなくなるから、イニシャルコストが高いうえに、メンテナンスコストも馬鹿でかい。
MITSUBISHIのJファンが採用されていたのでレビュー
我が家にも、一条工務店のように自宅内の空気を一括管理して、熱のロスもなくなるような高度な24時間換気システムがついていれば良かったのですが、残念ながら未実装です。
根本的に、我が家は高気密・高断熱住宅でもないので、生活していれば暖房・冷房のエネルギーで整えた心地よい温度の空気は外に逃げていきます。
三菱のJ-ファンとは?
我が家には、三菱のJ-ファンというものが各部屋に1〜2個ずつ設置されています。換気量は各住宅で必要量が決まっているので、規定の換気量に達するように設置されているはずです。

三菱のJ-ファンは、給気も排気も一台でこなせる換気扇で、第一種換気をリーズナブルに実現してくれます。

一条工務店のように、一箇所に空気を集めて熱交換をしたりはできませんが、各部屋の都合に合わせて簡単に給気・排気が調整できるのはいいですね。
ロスナイJ-ファンという熱交換可能なタイプも
我が家は特に相談もなくロスナイではないモデルが取り付けられていたのですが、換気方法についてもう少し話し合う機会が欲しかったな、と今では思います。

とはいえ、現実的に各所にロスナイ換気を入れるよりは、一箇所で換気システムを管理できた方が管理も楽なので、冷房も暖房も使って気楽に生活するなら簡易なロスナイを利用しなくても生活感としては大差ないな、と思うようになりましたけど。
24時間換気の中で暮らしてみた感想
我が家で取り入れられていた換気扇についての情報です。
まずは音に関して
- うるさいと感じるほどではない
- 注意して聞けばずっと音がなっていることに気がつく
- 気になり始めるとうるさく感じる
換気の必要性を実感レベルで考える
でも、うちは正直言うほど高断熱でも高気密でもないと思っているので、ちょっとくらいいいかなとか思うのですが、ハウスメーカーからは回しとけと言われているので、今日も元気に回ってますよ換気扇。
電気代は微々たるもの
こんなに元気に働かせてるけど、そうなると気になるのは、その電気代ですね。
換気扇の存在も消えることなく、時代とともにその羽をいかんなく回し続けている換気扇ですが、電気代は月々100円もかからないそう。
とはいえ、それが各部屋に1つか2つくらいついているので、家全体で考えると月に1,000円くらいになることもあるかもしれません。
キッチンの換気扇の電気代はワンコイン(10円)

実際のところ、一日10円程度で、月々300円。
そうなるともうちょい安くなるみたい。
浴室やトイレの換気扇の電気代は数円
浴室は1日当たり7円程度、トイレ用だと1日2円程度。トイレは各家庭で設置数は異なると思いますが、それでも誤差の範囲だと言えると思います。

とはいえ、もったいないから消してしまいたいんだけど。
J-ファンのメンテナンス方法
J-ファンのメンテナンス、面倒ですが手抜きしているとフィルターが虫だらけになっているのでまめに掃除する必要があります。
フィルターを掃除する場合
給気口側には、外から汚れた空気を入れないためにフィルターがついています。これはすぐに汚れるので数ヶ月に一回くらいは掃除機などでゴミを吸い取りましょう。夏場はかなり虫がつきます。
フィルターを取り出す

爪が割と硬いやつもあるので、思い切って取り外します。力を入れる方向を間違えないように注意。
フィルターを枠から取り外す

フィルターは枠から取り外せます。私はフィルター交換するまで知りませんでした。
フィルターを掃除する

普段のお手入れでは、掃除機で吸い取るだけで十分です。
フィルターを洗浄する場合
私はフィルターを洗うのまでは面倒でついフィルターを買い替えて交換してしまうのですが、フィルターを洗うこともできます。

ただ、乾燥が甘いと「生乾き臭」のようなものがする時があるので、洗うときはしっかりとゴミを取り除き、最初はドライヤーなども使って一気に乾かすことをお勧めします。
中性洗剤で押し洗い
洗うときは、中性洗剤を使用します。中性洗剤は、一般的な食器洗い用の洗剤でいいと思います。部屋で焼肉などする場合には油汚れもあるので好都合です。
ちなみに、以下の洗剤を使用しないように注意書きがあります。
- シンナー
- アルコール
- ベンジン
- ガソリン
- 灯油
- スプレー
- アルカリ洗剤
- 化学ぞうきんの薬剤
- クレンザー等の研磨剤入りの洗剤
予備があると効率的
個人的には、フィルターを洗う場合は予備のやつと入れ替えで使っていくことをお勧めします。フィルターがないと外部と交通しているので、フィルターを乾燥している時間に虫が入って来てしまいます。
フィルターを交換する場合
1年に1度はフィルターを交換します。そう言いながら、私は2年〜3年はいけると使っていますけども、かなり汚れるので健康のためには交換しておいた方がいいです。掃除するよりずっと楽ですし。
まとめ:24時間換気はJ-ファンでもいけるか
最後までお読みいただき、ありがとうございました。このページの内容を簡単にまとめておきます。
24時間換気のスイッチの3原則
- 換気扇は切らない。
- 24時間換気システムも切らない。
- 新築時には、熱交換についても配慮する。
三菱の24時間換気の採用で悩んだ時のポイント
- 24時間換気の方法としてはコスパがいい
- 褒められたものではないが、損するものでもない、標準採用レベル
- フィルターの予備は買っておくと掃除の時に楽チン
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