フラット35Sを借りることを「検討」することが大事だと説明しました。
これは、借りたときに「返済」が想定しやすいこと、戸建新築の場合は技術基準があるため一定品質の住宅が保証されること、を理由にあげました。
ただ、実際に借りるとなると、少しでもお得な方がいい。今回は、実際に借りるならネット銀行に住宅ローンを申し込もう、という話になります。

基本のフローチャート
- フラット35を検討する
- ネット銀行の固定金利を検討、申請する(今回はココ)
- ネット銀行で借りれなかった場合、地銀の変動金利を申請する
たったこれだけです。意外かもしれませんが、もし、あなたが少しでもローンに悩まされずに、
安心して暮らしたいと考えているのであれば、私はネット銀行の固定金利をお勧めします。

詳しく説明していきます。
フラット35でしっくりこなかったらネット銀行へ
今のネット銀行の金利の安さは、ちょっと吐き気を催すレベルです。

基準金利が3%弱なので、もし、今後優遇金利について各行が見直し始めて、ぐいっと金利が上がったことを考えると、マジで震える。
基準金利と優遇金利、適用金利について
さらっと「基準金利」「優遇金利」というワードを出してしまいました。
基準金利とは
基準金利とは、その名の通り、各行が定める、本当に基本的な金利のこと。「定価」と表現されているサイトもあります。「店頭金利」と呼ばれることも(ややこしい)
https://suumo.jp/yougo/k/kijyunkinri/
実際に払う金利は違う
ただ、定価でものを買う人は、このご時世存在しない。実際に購入するときには、「値引き」された後の金額で買います。この「値引き」にあたるのが、「優遇金利」あるいは「適用金利」です。
金利で選べば「ネット銀行の変動金利」
私が数年前に地銀で借りたときは、0.8%を切るか切らないかくらいでした。今のネット銀行なら、0.5%を切る銀行もあるので、もう金利をほとんど気にしないレベルに低くなっています。
まず、先に言ってしまえば、早期に繰り上げ返済を計画できる方であれば、とにかく金利が安いネット銀行の変動金利で借りることをお勧めします。

これはもう議論の余地もなく、「安く借りて早く返せばお得」というに他なりません。
ただ、こんなことは「価格ドットコムで最安値で買えば一番安い」みたいなことを言ってるだけなので、もう少し頭を働かせましょう。
我々が知りたいのは、
ってことですよね。

あなたに一番ふさわしい「金利」、一緒に考えましょう!
ネット銀行がお得なのは当然金利が安いから
ネット銀行は、これからの金融のあり方として最も自然な形といえます。

基本的なサービスは「AI」などの機械作業にして、人間が必要なサービスは「顧客とのコミュニケーション」になっていきます。
新潟県住宅ローンのシェアNo.1の第四銀行で借りたらどうなる
第四銀行は新潟県内住宅ローンシェアがNo.1なので参考に。
https://www.daishi-bank.co.jp/individual/borrow/housing/newfinancing.php
現在、第四銀行の2020年3月の金利は以下の通り
仮に変動金利で、35年ローンで3000万円借りると、毎月の返済額は8.1 万円、総返済額は3,398 万円となります。ただ、確実に金利は上がるので、ローン返せなくなる可能性はあります。
ネット銀行で利用しやすい楽天銀行で借りたらどうなる
個人的に取引のある楽天銀行で住宅ローンを借りてみましょう。別に、楽天が特に金利が安いというわけではないのですが、わかりやすいのは楽天ですね。
2018年5月現在です。

ネット銀行だと細かい金利の変動がありますね。
フラット35Sにも対応
2020年3月の金利です。詳細な条件は楽天銀行の公式HPでご確認ください。
ご返済期間 | – | フラット35S | – |
– | – | 団信あり | 団信なし |
15年以上~20年以下 | 当初金利 引下げ期間 | 年0.94% | 年0.74% |
– | 引下げ期間終了後 | 年1.19% | 年0.99% |
21年以上~35年以下 | 当初金利 引下げ期間 | 年0.99% | 年0.79% |
– | 引下げ期間終了後 | 年1.24% | 年1.04% |
21年以上でも、年1.35%で、35年でも金利の変動がないのです。

これは、お得ですね!
元利均等返済で、35年で返済すると、変動金利なら毎月7.9万円。フラット35Sなら毎月8.6万円〜8.9万円となります。
ちなみに、変動金利とフラット35Sで、総支払額だとざっくり400万円くらい違いますかね。もちろん、どちらもメリットデメリットあるけどここでは割愛。
住宅ローンは「高くても地銀」から借りる不思議
金利が0.4%違うと、総支払額は(諸条件によるが)だいたい200万強くらい違いが出てきます。
ただ借りる場所が違うだけで200万円の違いは、とても大きいと思います。なんだったら保障や特典を考えるとネット銀行の方がお得なのに。
どうして地銀(第四銀行)から借りるのか
- ネット銀行があること・お得なことを知らないから
- 手続きが面倒だから
- 住宅会社に勧められるがまま
- 地元だから
- 知ってる銀行で安心
なんて理由があると思います。

ただ、それって理由未満の「考えることの放棄」に他ならないんですよね。しっかり比べて、いいと思う銀行を選ぶ。それが一番後悔しない方法です。
ネット銀行は、とにかく(お金は)お得
こんな感じで、単純な金利の比べ合いになると、圧倒的にネット銀行が有利です。
今回は楽天銀行を引き合いに出しましたが、ジャパンネット銀行なら、2020年2月は年0.399%という破格の金利で住宅ローンを借りることができます。

ネット銀行の場合、地味に事務処理費用が結構かかるのですけど、楽天銀行なら保証料が無料なのでいいですね。
団体信用生命保険も手厚いのが魅力
私が重要だと思っているのが、団体信用生命保険の存在。民間で住宅ローンを借りると団体信用生命保険に入ることがほぼ強制されます。
死んだ時より「働けない時」が問題
もしものことがあったらローン返さなくていいよ、っていう保険があるのだけど、これを、例えば「死んだとき以外も、働けなくなったときとか病気になっときにも保険を適用させたい」と言ったとき、ありますよね(通販っぽい)。
普通、地銀やメガバンクなどの店舗型の銀行で保障を厚くすると、適用金利が底上げされて、例えば疾病特約をつけると年0.25%プラスしますよ、みたいな感じになるんですよ。
ローン額によるので、結局いくらの保険を買ったことになるからは各自で計算していくしかないんだけど、目安としては団体信用生命保険を手厚くすると、プラス150万円くらいだと考えてもらえればいいと思う。
ネット銀行はなぜか、無料
これが、ネット銀行になると。
ネット銀行同士も熾烈な争いをしていることもあって、例えば住信SBI銀行は特に顕著でして、「全疾病保証」がついてきます。これが結構やばいんですよね、いい意味でね。

全疾病補償とは
* 3つの特定疾病(がん(悪性新生物)、急性心筋梗塞、脳卒中)
http://isolf.com/kaisetu/pro/feature-m/886-sbitokusyu
* 5つの重度慢性疾患(高血圧症、糖尿病、慢性腎不全、肝硬変、慢性膵炎)
* その他のケガや疾病

私の看護師としての経験上、脳梗塞なら「麻痺が残って生き残る」し、生活習慣病に関する病気は「通院」で働けなくなる可能性があります。
2つの補償でケア
1.月々の住宅ローン返済金相当額が支払われる
http://isolf.com/kaisetu/pro/feature-m/886-sbitokusyu
借入実行日以降に被った8疾病、その他のケガや疾病により、借入実行日から3ヵ月を経過した日の翌日以降に所定の就業不能状態となり、その状態が継続し、ローンの約定返済日が到来した場合に12回を限度として月々の住宅ローン返済金相当額が支払われます。
2.住宅ローンの残債額が支払われる
借入実行日以降に被った8疾病、その他のケガや疾病により、借入実行日から3ヵ月を経過した日の翌日以降に所定の就業不能状態となり、その状態となった日からその日を含めて12ヵ月を経過した日の翌日午前0時までその状態が継続した場合、住宅ローンの残債額が支払われます。
わかりやすい記事ですねぇ。引用させてもらいました。

簡単にいうと、「ローン返済が不要」になるんだけど、それが、「仕事ができない状態になった時は月々の返済額を補償」してくれます。さらに、「働けないままの状態のまま」ならローン返済は全額不要、という感じになります。
医療者の視点で「全疾病」をみていく
この「全疾病」っていうのがなかなか判断のつかないところだと思います。それって結局お得なのかどうなのか。
全疾病が示す意味は「病気になったらローン返済しなくていい」なんて単純なものではないのです。
上記のように、特定疾病と重度慢性疾患、ケガで「仕事ができなくなったら」、この保険の適応になるということですね。
生活習慣病で「就業不能」になる可能性
これ、ガン以外はほぼ生活習慣病です。昔でいうところの「成人病」ってやつですね。口悪く言ってしまえば「不摂生を続けることで、自分で意図してなることができる病気」とも言えます。
心筋梗塞と脳卒中も、いわゆる血管系からくる疾患なので、一概には言えないところはあるものの、「血液がドロドロになる、血管がボロボロになるとリスクが上がる」病気です。これも、生活習慣でリスクが跳ね上がる病気になります。
このうち、高血圧や糖尿病、肝硬変で仕事ができない状態になることは、かなり考えづらいですね。少なくとも、ローンを借りたばかりの人が心配するものではありません。
慢性腎不全も、ほとんどの原因が糖尿病からくるものですから(もちろんそればかりでもないんだけど)仕事ができなくなるまでは何十年という月日と不摂生が必要です。
つまり、これらの病気で仕事ができなくなるときは、概ねローンも払い終わっているころ、ということになります。保険会社が得をするから、こういった保障をつけることができるわけです。
後遺症のリスクの高い「血管系」の疾患
正直なところ8大疾患だろうが3つの特定疾患だろうが、確率論と統計学的に言えば大差のない話ではあるのです。
ただ、急性心筋梗塞と、脳卒中は、リスクだけでは語れない危険性があります。
特に脳卒中に関しては、脳血管をつまらせることで、不可逆的な脳へのダメージが起こって、いわゆる後遺症のリスクがあります。場合によっては、仕事ができなくなる可能性もあるでしょう。

なくても困らないのが保険ですが、あったら助かるのも保険です。
全てのリスクをカバーしようとすると大変ですが、いずれにせよ全疾病(精神疾患のぞく)保証は、保険としても大いに活用できるものです。
保険の見直しができる
長々と書きましたが、結論を述べますと、「住信SBI銀行の住宅ローンで団体信用生命保険に加入すれば、がん保険と生命保険の加入の必要性がかなり薄まる」ということです。

これって結構お得かなぁ、と思いますよ。
私自身は、団体信用生命保険に、一般の収入保障型の生命保険にも入っているので、なんだったら早死にした方がお金が入ってくる、という、なんともサスペンスな境遇に置かれています。
じぶん銀行ならがん診断だけで50%保障となるから一番お得
今、価格ドットコムで一番人気なのが、じぶん銀行の住宅ローンですね。
がんの診断確定という敷居の低さ
金利も業界最安値(2018年5月現在)でありながら、特徴的なのが、「がん診断確定でローン残高の50%を保障」です。

診断確定のみで保障されるのは、相当にありがたいですね。
「入院継続〇〇日」は、今後、医療の進歩と早期退院の流れでほぼほぼクリアすることは難しいと思われますが、診断確定だけであれば、10年先を見据えてもお得と言えるでしょう。

これが無料でつきます。
さらに金利上乗せで50%→100%や11疾病保障をつけることができますが、こちらは不要といえるでしょう。
じぶん銀行は手続きもネットで完結して行えるとのことで、スムーズかつスピーディに審査を受けることができます。見積もりを出してもらうなら必ず受けておいたほうがいいネット銀行だといえるでしょうね。
auならもっとやすい
じぶん銀行の場合は、母体がauになるので、スマホがauだとさらにお得になりますが今回は端折ります(ごめんね)
イオン銀行は利用するスーパーがイオン系列ならお買い物が5%OFF
じぶん銀行に肩入れするつもりはないので、ついでにイオン銀行も簡単に紹介しちゃる。
団体信用生命保険の保障については、待遇向上は金利上乗せ型なので(かなりお安いにしろ)今回は却下。
イオン銀行の場合は、イオングループとの連携がとてもお得に。イオングループでのお買い物が毎日5%オフになります。
じぶん銀行もauブランドを押し出して利用料割引がありましたが、生活との濃度の高いイオングループの方がより利用しやすく、5%オフの恩恵が受けやすいと思います。
ネット銀行は銀行としての使い勝手もいいよ
私はすでに現金を極力使わない生活をしているということもありますが。
地銀を利用してて「よかったな」と感じたことは今まで一度もありませんでしたが、ネット銀行は使ってると「便利だなぁ」と感じる部分があります。
各行特色があるので、私が利用している、住信SBI銀行と楽天銀行の使い勝手でしかお話しできないので恐縮ではありますが。
①振込手数料がなんだかんだで無料
SBIも楽天も、どちらも振込手数料がほぼ無料です。もちろん、条件と制限付きではありますが。
どちらの銀行も、独自のステップアップ式のユーザーランクシステムのようなものを導入しており、まぁいわば銀行への貢献度によって、利用できるサービスが良くなりますよ、というものです。
SBIならスマートプログラム
例えば住信SBI銀行であれば、スマートプログラムというランク判定があります。
私は適用ランク3で推移してますが、ランク3だとATM出勤無料回数が月7回、他行宛振込無料回数が月7回となります。
現金を使うことがないので、そんなにATMに用事はないんですけど、いざという時に必要なお金を、コンビニのATMで気軽におろせるのはいいですね。そして、いざという時は月に7回もないので十分です。
ランク3も「ミライノカード」を利用していれば簡単に維持できるのでおすすめです。ポイント還元率もいいですしね。
楽天はハッピープログラム
同じような感じで、楽天銀行もハッピープログラムというものがあります。
銀行としての使い勝手としては住信SBI銀行の方がいいので、メインバンクとしては不向きな面があります。
ただ、こちらは勝手に楽天スーパーポイントが貯まっていくので、実感としてはこちらの方が「お得」に感じることは多いでしょう。
②銀行のATM探さずコンビニでOK
上述になりますが、ATM利用料もだいたい無料なので、実店舗がないことはあまりデメリットにならず、むしろATM探しにイオンモールとか行かなくていいので楽チンです。
③住宅ローン契約することでネット銀行を利用するメリットが増える
こちらも上述になるけど、例えば住信SBI銀行なら、スマートプログラムのランクが優遇されます。
イオン銀行ならイオングループで5%オフ、じぶん銀行ならau利用料割引、みたいな感じですね。
比較対象が「金利」だけじゃなくなるので、自分にとって一番お得な銀行を考えるのは少し大変かもしれませんが、その分だけ「自分にあったプラン」でベストマッチできるので、ここはしっかりと考えていく方が懸命です。
ネット銀行で住宅ローンを借りる際のデメリット
これに関しては色々なサイトでまとめられているので簡潔に。
①審査が厳しい
実は、審査が厳しいのがネット銀行の最大のデメリットでしょうね。ネット銀行の場合、「白か黒か」の審査になるんですよね。
審査を優位に進めたいなら交渉可能な地銀
地銀なんかだと「グレー」判定を出して、「この金利だと厳しいけど、少し金利あげれば通せる」みたいな交渉があるので、そういった面では地銀にもメリットあり。

②手続きが面倒
ネットで済むから楽ではあるんだけど、自分でやらないといけないことが多いのがデメリットといえます。

個人的には書類処理はかなり苦手。
地銀なら、わざわざ家に来てくれて、ハンコを押す場所まで教えてくれながら処理できる。その人件費が、金利に上乗せされている、とも言えるのだけど。
③事務手数料が借り入れ金額×2.16%
これだと高いのか安いのかわからないと思いますが、ざっくり計算すると、3000万円の借り入れで、30万円くら違いが出るよ、と覚えておいてください。

デメリットを知ったところで、ネット銀行のメリットが揺るがない。私はそう思います。
AIが銀行員の仕事を奪う将来性の問題
地銀がなくなる予感がしてならない
ほとんどの事務処理がAIに奪われると、私は確信しているのですが、そういったときに、地銀がいまと同じ地位を保てているか、と考えると答えが自然と出てくると思う。
もちろん、地銀の役割が全てなくなるということはないと思います。
ただ、こと住宅ローンにおいては、高い金利を払ってまで地銀で借りたいかというと、少しでも安く、さらに便利なネット銀行を利用するのが自然な流れだと思います。ネット銀行はAI利用していく方だからね。これからどんどん発展していくことと思います。
新潟で言えば、第四銀行と北越銀行が経営統合することが話題になりました。さらに、銀行員の離職についても最近方々で耳にすることが多くなりました。
http://銀行員転職.com/yametai/男性行員に聞いた銀行を辞めたい理由7選/
これを読みますと、「ほぼ銀行の企業としての内的要因じゃねぇか」とこぼしたくもなるのですが、せっかく就職活動で勝ち取った銀行を早々とやめていく理由は、そればかりではなく、今後の見通しを考えて、という方もいらっしゃることでしょう。

コメント