医療保険に入るくらいなら資産運用に回そう、というお話。
想定されるリスクとそのために保証がどれだけ必要かをしっかり考えて、必要な分だけ、必要な時期だけを鉄則に保険について考えていく。
というと、なんだか怪しい、不真面目な感じがします。ラクしてお金を稼ごうとしているからでしょうか。
一方で、
と言うと、世間的には「しっかり将来のことを考えている、真面目な方」な感じがしませんか?
好きな旦那さんを選ぶことができたら、後者を選ぶ方が多いと思いますが、実は後者はお金について真面目に考えることをやめている可能性が高く、将来性は薄いです。
今回は、投資ではなくて保険のお話。
医療保険は入らなくてもいい
まず、最初にはっきり言うなれば、「保険って入ったほうがいいのかわからない」という方は、基本的に保険は不要です。
なんのためのリスクに備えて、どれくらいの保証が必要なのか、自分でもわからないような状況であるならば、まだ保険の必要はないと言えます。
唯一、保険に入るべきひと
- こどもが生まれたばかりで母親(妻)は働く予定がない
このパターンだけです。しかも、必要になるのは生命保険だけ。理由は丁寧に解説していますが、簡単に説明すると、
これが理由となります。逆に言えば、夫が死んだあと、母親がしっかり働くことで生活が成り立つのであれば保険は不要となります。
本当は不要だが入りがちな保険
- ほとんど全ての人の医療保険
- ほとんど全ての人のがん保険
- 資産管理できる人の学資保険
- こどものいない人の生命保険
会社で進められてよくわからずに加入した保険はだいたい不要です。
いざという時に必要なお金を用意するためにお金を捨てちゃ意味がない
今回、結論として言いたいことは、「いざという時のための保険」を買うために、貯金やお金を貯めるためのシステムを放棄することが問題である、と言う認識を持ってもらいたいのです。
実は、保険が全て不要なわけではありません。しかし、家計を見直す必要が出てきた時に、一番ネックとなるのが「不要な保険」であるのは事実です。
保険に悩むなら「いらない」ことから考えるべし
これから詳細については説明していきますが、もしここまで読んでいただけたのであれば、保険のいるかいらないかの話の基本となる考え方だけ伝授しておきます。
- いるかいらないか、よくわからない保険はいらない。
- 必要な保険であっても、将来修正できるように掛け捨てで必要最低限の保障としておく。
保険を雨と傘の比喩で説明する
どんな例えだとわかりやすいかなぁ、と考えてみました。
うん、わかりにくすぎるね。
なので、
というシンプルな構文にしました。
雨が降るから傘を挿すのは当然のこと
雨が降るのに備えて傘を買うって、そんなの当たり前のことだと思いませんか。
でも、ぶちくまが考える医療保険って、こんな感じなんです。
傘を買う理由は「必ずいつか雨が降る」前提である
今日が突き抜けるような晴天であっても、あるいは今にも泣き出しそうな曇天であっても、とりあえず雨には備えておいてそんはないので、傘を買っておく。
大きな損はしなさそうな気はしますよね。
何日後になるか、あるいは何年後になるか、もしかしたら雨は今後降らないかもしれませんが、もしもの時のことを考えて傘を持っておくと、なんだか安心します。
でも、これが「雨がいつ降るかはわからない」世界の話であれば、傘を買うかどうかはちょっと躊躇してしまいますよね。
これは、「人間はいつか死ぬから棺桶買っておいても損はないよね」というのと、何だか似ています。
傘は雨が降らないと無駄になる
でも、「傘を買っておくこと」自体は、雨が降るまでは無駄ですよね。
まず、傘の購入費が無駄です。
あと、いくら早くから雨に備えていたって、数年も後に突然雨が降った時には、傘が劣化していざという時に使えない可能性もあります。
さらに、傘だって日々進化してますので、今よりももっといい傘が発売される可能性があります。
というか、そもそも傘という概念にとらわれていますが、傘以外にもレインコートだってあるわけだし、小雨だったら雨に打たれる選択だってあるわけです。
突風が吹けば傘が邪魔になるかもしれないし、雪が降れば、傘以外にも長靴が必要になるかもしれません。
雨の対策は「傘」とは限らない
一番いい対策が「傘を買うこと」とは限らないのです。
それなのに、
と囁いている人は、一体誰でしょうか。そう、傘屋さんですね。
備えておくべきことは「雨」だけじゃないはず
明日何が起きるかは誰にもわかりません。
いつの間にか天気に囚われていましたが、明日のリスクは「雨」が降ることばかりじゃないはずです。
いつの間にか、「雨に濡れないように傘を買わないといけないけどなぁ」という気持ちにさせられている時点で、実はすでに情報操作に踊らされている状態なんです。
明日のリスクは、道端で転ぶことかもしれないし、失業することかもしれない。
そのリスクがあった時に、「傘を買ってたから失敗した」と思うことはないでしょうが、本当に必要なものは「傘」ではなかったことはたくさんあるはずです。
医療保険は自分の不健康に賭けるギャンブル
保険はギャンブルだ、っていうのはみなさんも割とご理解いただいていることだと思います。
しかし、そのギャンブルが「大きな掛け金でリターンは小さい」ということに、気が付いている人は意外と少ない。
競馬で生活するより圧倒的に不利な保険契約
保険はギャンブルと一緒で、基本的には全体で見た時に購入者が損するようにできています。
競馬なんかでも、馬券のお金は25%程度はJRAに、残りが還元されて的中者にいく形になっていますので、全体で見ればJRAが儲けて、馬券を買った人たち全体はその分、損していることになります。
とはいえ、ギャンブルですので、それに文句をいう人はいません。
保険の還元率は非公表
ざっくりいってしまうと、医療保険なんかも同じ仕組みで、保険会社の利益は確定した上で、被保険者(保険買った人)は基本は損をします。
そして、保険料の還元についても計算してみるとギャンブルより不当な内容であることに
驚かされると思います。
これについては、それぞれの保険によるところも多いのですが、自分の保険について調べてみるとバカバカしくて涙が出ちゃいますよ。
保険はリスクが起こることにかける
ギャンブルと異なる点は、「夢」にかけるか、「リスク除去」にお金をかけるかの違いです。
医療保険を買うということは、「自分は将来病気になる」ことに(それが当たらないことを願って)賭けをする、ということだと言い換えられると思います。
リスクを軽減できる、というメリットはあるので、そこは忘れずに。
「大きな掛け金でリターンが少ない」とは
ぶちくまも結局は医療保険に入ってしまったのだけれど、だいたい保険に入るときは代理店かなんかで契約してくるパターンが多いかなと思います。
そいで、話を聞いてるうちに、何百円かで追加の保険を進められて、気が付いたらいろんなものがセットされていて、高い保険に変わっていたりしますよね。
ただ、それって本当に保険で賄う必要があるものなんでしょうか。そして、本当の不測の事態に保険で賄いきれているのでしょうか。
細かい部分については、それぞれの契約があるのでなんとも言えないところはあるのですが、大概の場合は、不要な契約を強いられていることが多いのは事実です。
入院給付金っているの?
まず、不要なものの代表格として、入院保障なんてものがあります。
確かに、急な入院でお金が必要になることはあると思いますが、保険で賄う必要があるほど大金が一気に必要になることは稀です。
そもそも高額医療については制度が充実しているので、あえて保険でさらにカバーする必要性が薄かったりします。
その上、いざもらえる給付金もそれほど多いわけではないので、正直「そのくらい賄えない経済状態であることが一番のリスクでは?」と思ってしまうところです。
例えば、「長期入院になると収入も減って、医療費もかかるからそのリスクを減らしたい」という思いがあるのであれば、その点をカバーできる保険に入る必要はあるかもしれません。
んが、特に何も考えないで勧められた保険というのは、だいたい短期入院保障だったりして、いざ短期入院した時には、申請手数料や病院との往復を嫌って給付金申請もしなかったりするのが現状だったりします。
特に、医療発展は凄まじく、大概の手術は「日帰り」でできるようになっているので、自分の入っている保険が時代遅れになる可能性は十分あります。
終身医療保険は時代に取り残される契約
上記にもありますが、契約した保険は時代遅れになる可能性が高いです。
今、カバーされている対象疾患についても、今後はもっと治療方法が簡易で割安になってくる可能性もあるので、「高い保険料を払った割に、いざ使う時には内服だけで治療できるようになってた」なんて可能性は十分にあります。
先進医療は数年後に先進じゃなく保険適応になる
先進医療特約、なんてものもありますが、先進医療を受けられる場所は限られますし、タイミングの問題なんかもあって、お金だけの問題ではなくなることも多々あります。
もちろん、お金の問題で治療が受けられない、という事態は非常に残念ですし、家族としては悔いが残るところだとは思います。
ただ、先進医療を続けていく場合は、相応のコスト、というか対価が必要となるので、いずれにせよ覚悟は必要です。
今ある適切な治療を、自分の住み慣れた場所で受ける選択も、間違いではないと思います。
負担額が将来はもっと大きくなることも
あと、お金の価値が変わることで、大きく損する可能性もあります。いわゆる、インフレの問題ですね。逆パターンも考えられますけどね。
この辺りの勉強が苦手な方は多いので、あまり深く考えたくないところですが(ぶちくま含め)
今後の社会情勢を踏まえて、「我々は基本的に損をする=保険会社が得をする」ように考えて商品設計されていることは覚えておいたほうが良いと思います。
保険会社って未来にも存在するの
あと、保険会社自体が老後に存在しているか、というリスクもあります。
なんとなく、終身医療保険は、若くに入っておくと得するような印象を受けますが、実際には、必要なお金は多くは変わらず、リスクが低い若い時から保険会社に囲われて、老後の分まで払っているだけなので、実際には別のリスクを抱えるだけ損だとぶちくまは考えます。
そもそも保険システムが既存のものとは異なる可能性も
私は、多くの保険会社は不要になる世の中がくると思います。いわゆる、AIの台頭というやつですね。
保険に入る際にはまずは「共済」を
基本的には、保険であれば「共済」の方が有利です。
入れる人が限られるほど、保険のリスクは軽減できるからです。
共済がお得な理由
もしも、自分が加入できる共済が存在するのであれば、そちらに加入されるのが一番お得だと言えます。
ざっくりにはなってしまいますが、「誰でも入れる保険」という時点で、保険会社は一つリスクを背負っているので、そのリスク分を他の被保険者の保険料から見繕っています。
「共済」は、誰でも入れるわけではないのですが、自分たちの仲間内という信用が一つ加味されている分、内容が少し手厚かったりします。
互助会の存在もリサーチしよう
また、「互助会」なんてものもあって、わずかな運営費以外が還元される形になるので、一般の保険会社よりも圧倒的にお得です。
医療保険以外の保険って必要?
まず、保険が必要となるパターンというのは、「自分ではどうしようもないリスクに備える」場合のみです。
自動車保険は必須となる理由
車を運転する人は、ほぼ任意の自動車保険に入っていると思いますが、自動車運転自体が大きなリスクを抱えている上に、対人事故なんか起こした日には、とてもではありませんが、自分でどうにかできるような事態ではないと言っていいでしょう。
こう言ったリスクに対して、(捨てる金になったとしても)保険はかけていくべきです。
医療保険は不要であることが多い理由
本日取りあえげた「医療保険」については、多くの場合は若い時にある程度貯金をして、あとは公的社会保障を利用することである程度乗り切ることができます。
また、医療保険の場合は、「高額医療費限度額制度」のことを覚えておいてください。これは、実際に自分が大病をして一時的に働けなくなった時に、「いくら必要になるか」の参考になると思います。
自己負担限度額はいくらくらい
所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当※2 |
①区分ア (標準報酬月額83万円以上の方) (報酬月額81万円以上の方) |
252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1% | 140,100円 |
②区分イ (標準報酬月額53万~79万円の方) (報酬月額51万5千円以上~81万円未満の方) |
167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1% | 93,000円 |
③区分ウ (標準報酬月額28万~50万円の方) (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方) |
80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1% | 44,400円 |
④区分エ (標準報酬月額26万円以下の方) (報酬月額27万円未満の方) |
57,600円 | 44,400円 |
⑤区分オ(低所得者) (被保険者が市区町村民税の非課税者等) |
35,400円 | 24,600円 |
※1 総医療費とは保険適用される診察費用の総額(10割)です。
※2 療養を受けた月以前の1年間に、3ヵ月以上の高額療養費の支給を受けた(限度額適用認定証を使用し、自己負担限度額を負担した場合も含む)場合には、4ヵ月目から「多数該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減されます。
自己負担限度額について|全国健康保険協会
こんな感じで、自己負担額は収入に応じて決まっています。
確かに、1ヶ月何万円も負担があるのは大変なことですが、何十万円にはならないように社会制度ができています。
私くらいの収入であれば月6万円を、何ヶ月耐えられるように資産をつくっておくか、を考えておくことが大事だと思います。
こんな方に医療保険はお勧め
という場合には、貯金ができるまでの間は医療保険が必要となる、というように考えるといいですね。
「貯金がない若い時に、一時的に掛け捨てで利用する」場合のみお勧めできると言えます。
あるいは、「特定疾患でカバーされる病気に高確率で罹患する予感がある人」でしょうか。
このように、自分でリスクと補償について想像ができるものについては、保険が必要と言えるかもしれません。
生命保険
ぶちくまは子供が生まれるタイミングで入りましたが、そう言ったパターンの方は多いはずです。
これもいるかいらないかで言えばいらないと思います。
一家の大黒柱がいなくなった場合、経済的な損失は恒久的ですので、保険は必要だと思いますが、公的補償(遺族年金など)があるのも忘れてはいけません。
遺族年金
まず、主たる生計者がなくなった場合、補助されるお金はいくつかあります
- 遺族基礎年金
- 遺族厚生年金
- 死亡一時金
- 寡婦年金
詳細は、参考リンクを利用していただくのが一番かと思いますが、ニュアンスで言えば、遺族基礎年金は、奥さんと子供二人だと、年間140万円くらい、という感じです。
子の加算 第1子・第2子 各 224,300円 第3子以降 各 74,800円
団体信用生命保険も忘れないであげて
また、家を建てた方であれば、住宅ローンを組んでるかと思いますが、こちらも団体信用生命保険のおかげで免除されます。
ローン免除は収入保障よりも大きいでしょ。
生命保険があれば、残された家族は一時的に大金を手にすることはできますが、それだけで家族が安心して暮らせるかっていうと、結局のところそうでもないわけで。
若くして亡くなった時のリスクを考えてのことであれば、生命保険で賄う話ではなくなってくるので、「あえてはいうなら不要」と判断します。
ただ、ぶちくま家同様、「家族のことをしっかり考えて!」と後ろ指差されるのが面倒、だから入る、という方も結構いると思う。
このパターンの家族が一番損している可能性が高そう。
学資、介護等の将来の出費に備えた保険
学資保険についても我が家は考えているところなのですが、これもぶちくまは不要と考えています。
これもシンプルにお金を貯蓄していけばいい話であって、解約リスクを自分から背負いにいく必要はないと判断します。
さらに言えば、もう何年後かにいくら必要になる、ということが計算できる部分なので、その分のお金を少しずつ資産運用に回しておく、という方法が一番スマートといえるでしょう。
火災保険、地震保険
これは必要でしょうね。
家が火災にあった場合、地震にあった場合、その出費は貯金ではなんとかできないことが想定されます。
ただ、家財保険などの付加が必要かどうかはその家族によると思います。
各種保険がいるかいらないか考えたまとめ
まぁ、結局ぶちくま自身は医療保険にも生命保険(収入保証型)にも入っているのですが(苦笑)
終身型前払式にしたことを、今では結構後悔しています。
それは、ぶちくまの予想としては「将来は医療はもっと進んでいて、老後は今の保証は不要になる」という考えであること、「ぶちくまが40代で急死するか心筋梗塞、脳梗塞で今みたいに働けなくなる」ことをリスクと捉えているからです。
20代〜30代の男性は40代までの死亡・失職リスクに備えよう
ぶちくまの場合は、30代から40代までの急死及び失職リスクに重点を当てて、50代以降には一度保険を見直すことができる形にしておくことがベストだったなぁ、と今では考えています。
なので、同世代で同じ考え方のくまさんたちには、「掛け捨ての生命保険+医療保険なしかあっても掛捨定期保険」をお勧めします。
貯蓄型は急な事態に対応しづらいので却下。
また、今回はぶちくまが勤め人バージョンでしたが、自営業だと別にリスクがあるので、その場合は保険の選び方がガラリと変わると思います。
いずれにせよ、保険は必要なものだけ、必要なときだけ、が鉄則です。
最初の例に戻りますが(覚えてる?)、雨が降るから傘を買いましょうと言っているのは保険会社です。
「明日の降水確率は」とか「この傘があれば雹が降っても大丈夫」と耳元で囁いてきます。
まぁ、実際には「死因の半分はガンです」とか、「三大疾病に備えておけばほとんどの人は安心!」とか、そう言った類いですけど。
保険会社は嘘はつきませんが、耳障りのいい言葉で本質を誤魔化すのは得意です。
先に言ったように、傘を買うよりも、まずは何が起きても大丈夫なように、しっかりと資産形成に取り組んでいくことの方が、よっぽどいろいろなリスクに備えられると思います。
本当に雨が降ったら、そのときポケットに五百円玉が入っていれば、いろいろな対策が取れますよってことです。
コメント
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