スマートホームについて記事で取り上げることが多くなってきたのですが、少し情報をまとめるページを作っておきます。

このページでは、「なんか家電が便利になったとは聞くけど、面倒そうだし、そもそもスマートホームって何なのよ?」くらいの方が、最初に着手すべきことがわかるくらいを目標に情報をまとめています。
スマートホームとは
スマートホームとは、インターネットに繋がった便利家電でをハブ機(親機、システム管理機)で一元管理するシステムを持つ家のことです。

ほぼ自動で必要な動作を家電にやってもらい、こっちは楽させてもらうというコンセプトのもと、さまざまなスマートホームデバイスが製品化されています。
具体的に、スマートホームでできること
基本的には、日常的に行う全ての動作は自動化できます。ただ、必要な設備を自宅に取り入れるとなると大変。現実的には、今ある家電を一定の条件下で自動で起動させたり、スマホで一元管理するくらいです。
- 家中のリモコンをスマホにまとめる
- 家の外からでも家の中の家電を操作する
- 朝起きたら決められた家電が一斉に起動する
- 家に近づいたら自動でエアコンや空気清浄機が起動する
- 冷蔵庫に入れた食材を自動で記録する
あげたらキリがないのですが、概ね「スマホとアプリで操作する」ことが基本となって、ここに「一定のシチュエーションで自動化」するショートカット機能が主軸となります。

IoT家電のリモート操作、家電の稼働状況やネットからの情報を共有するあたりが今のスマートホームの主軸だと思います。

もっとわかりやすく言えば、全ての家電がスマホで管理できるようになって、毎日やることは自動化されるということですね。
私はものをなくしやすいのと無くしたものを見つけるのがすごく苦手なので、たくさんのリモコンが家に存在せずに、スマホさえあればとりあえず大丈夫という環境は歓迎したいところです。
できるようになるには、何をしたらいいのかがわからない
ただ、具体的にできることを例示しても、「じゃあ、何からどうしたらいいの?」というところがスマートホームのハードルを上げていると思うので、当サイトの記事にリンクを繋げながら、とりあえずこのページだけ読んでいれば何となくわかった気にはなる、くらいの情報量でまとめていきます。
スマートホームに必要なこと
スマートホームは「自動化」と「無線操作」が基本だと説明しました。まずはこの辺りを少しだけ掘り下げます。
インターネットに繋ぐということ
まず、根本的なところから言うと、スマートホームのために「家電本体を新しくする」必要はないということです。
つい、スマート家電というと最新の家電を揃えたゴージャスでラグジュアリーな特権階級のような家を想像してしまうのですが(私だけ?)、実際のところ、家電自体は「どうにかしてインターネットにつなぐ」ことさえできればそれがスマートホームへの入り口となります。

うちの冷蔵庫は、WiFiも飛んでないし、ネットに繋ぐケーブルを差し込むところもないけど?
最新の家電は、IoTだの何だのかっこいいことを言っていますが、基本的には無線LANでネットにつながっているだけです。大事なのは、ネットにつながって「何ができるようになったのか」をわかりやすく提示することで、これが一般消費者には伝わってこない。
昔の家電も、ネットに繋がるのが「スマートホーム」ガジェット
昔の家電はネットに繋げません。そのため、インターネットにつながるものを経由する必要があります。
言い換えると、例えばスマートリモコンやスマートコンセント、あるいはSwitch botのようなネットにつながった家電操作ツールさえあれば、どんな家電でもスマートホームに適応する可能性はある、ということになります。
詳しいことは後述しますが、とにかく「最新家電」だけが対象じゃないということです。
自動化はスマホが勝手にやってくれる
先に申し上げておけば、2021年現在は、スマートホームのセッティングは結構面倒です。
ただ、将来的にはユーザーの行動状況から、あなたが使っているスマホなどの身近な機械が自動でセッティングor必要なサポートをしてくれる未来になっていきます。
今、皆さんが使用しているスマホはすごい勢いでユーザーから情報を吸収しています。あなたの情報だけではなく、スマホユーザー全体の情報量なので天文学的なデータとなりますが、これらが全てAIの知識になっているようなイメージです。
とりあえずセキュリティやプライバシーの問題は置いておきますが、全てが勝手に自動化されるほど未来的ではないにせよ、ユーザーの行動をパターン化して一定の行動が続いたときに、必要な自動化レシピを提案してくれるくらいには便利な世の中がすぐそこまできています。
つまり、焦ってスマートホーム家電を買い集める必要はありませんが、スマートホームに対応できるような土台作りに関しては、家電の買い替えや引越しのタイミングで考えていただけたらいいのかな、と思っています。
スマートホーム建築時に気をつけること
ただ、コンセントやリモコンもない、例えば照明などの「家に埋め込まれているもの」をスマートホームに取り入れるのは難儀です。
しかし、方向を間違えて「最新の機能を持った設備にする」ことは、かえって操作しづらい環境を作り出す可能性もあるので、十分に注意したいところです。
照明の話
先に具体例を上げて説明すると、先に出てきた照明がいい例です。
Bluetoothとメーカー専用アプリの罠
我が家、一部の部屋だけ少し気合を入れて「Bluetooth式のリモコン」で動く照明にしました。Bluetooth式のものは、スマホのアプリで動かすことができるので、何となく最新っぽい感じがしたのですが、これは失敗でした。

特定のアプリを起動させないと動かせないものは、スマートホームに組み込むときに面倒になる場合が多いのです。
アプリがAlexaやSiriなどの音声アシスタントのショートカット機能に対応していればいいのですが、日本のメーカーは外面だけいい機能は取り入れるのですが、一度作ったアプリなどのバージョンアップなどは滅多にしません。

メーカー純正の操作アプリは、最新の環境に対応しない、時代遅れの操作方法に取り残される可能性は他の家電と同様にあるのです。

中途半端にスマホにつながるもんだから、普通のリモコンくらいには使い勝手はいいのですが、IFTTTやショートカットに対応しておらず、自動化のためのレシピに組み込めないんですよね。
少し込み入った話になるので端折りますが、最新ならいいというわけではないのです。
赤外線リモコンでも十分なスマートホーム
何だったら、普通の安い赤外線リモコンに対応したシーリングライトの方が、スマートリモコンで一元管理しやすかったりします。
大事なのは、家を建てるときには一般的な家電などとシステム・スケールを合わせておくこと。中途半端に最先端のものは、一般的な規格から外れた「対応しづらい家電・設備となりやすい」ということだけ覚えておいてください。
スイッチの話
照明と同じ話になりますが、壁のスイッチも大体のものは「スイッチボット」のようなボタン操作をリモート操作・自動化できる装置をつけることで簡単に採用できます。

壁に貼り付けて、自動でスイッチを押してくれるグッズなのですが、これだけみてもいまいちピンとこないですよね。ただ、どのスイッチにも対応できるシンプルかつ必須級のスマートホームグッズです。

ただ、スイッチボットになると壁につけたときにヤボったい感じが出てきてしまうので、この照明などの壁スイッチに関しては何かしらのリモコン操作ができるものにしておくことをお勧めします。
ちなみに、電気工事の資格さえあれば、リモコン対応のスイッチに変えることで対応できます。ただ、大体の人は資格を持っていないので、ここはスマートホームの敷居を上げてしまうポイントだと言えます。

まだ、家を建てる段階の方は、壁のスイッチだけは是非ともリモコン操作できるものにしておいてください。

しかも、リビングとか廊下とか、自動化できると便利な場所に限って、普通のスイッチを採用してスマートホームに取り残されがちなんですよね。

夜、家に帰ってきたら自動で電気がつく設定なんかは、簡単にできますよ!しかも、消し忘れもしないようにできる。
ウィルス感染と接触予防策の話
空気清浄機の話でも感染予防について簡単に説明したのですが、コロナに限定すれば、壁スイッチの除菌など、モノと人との接触は、唾液の交換になる飲食ほどのリスクはないのですが、触らないに越したことはないのも事実です。この、モノとヒトの接触機会を減らす意味でも、スマートホームは役に立ちます。

自宅のスマートホーム化は正直、あまり感染予防としては効果は薄いのですが、不特定多数の人が接触する必要がある飲食店の入り口なんかは、なるべくモノを触らずに、触ったら必ず手指消毒をする必要があります。

飲食店なら、来客時に検温・手洗いを促すアナウンスを自動で流して、かつライティングで手指消毒を強調するようなレイアウトなんかがいいかもしれないですね。
掲示物などで対応されるところが多いとは思いますが、掲示物はあってないようなモノなので、注意喚起としては弱い。これが、こちらの行動を読み取っているように音声などが流れると、ついつい人は「みられている」と思って従ってくれるものなのです。
玄関ドアの話
私は、今でも玄関ドアを「スマホで開けられる」機能をつけなかったことを後悔しているのですが、今は玄関ドアを後付けでスマートロックにできるグッズが存在します。
これも先程の規格の話になりますが、一般的な鍵・ドアノブであれば、こう言ったときに対応しやすいのですが、少し規格から外れたものを選ぶと、後々対応するためのコストが嵩んだり、まるまる取り替えないといけなかったりします。
ただ、玄関は家の顔なのでデザインを犠牲にはしたくないですし、防犯の観点からも中途半端なセキュリティのスマートロックなどを導入すると危険です。「何が何でもスマート化しなければいけない」というものでもありません。

防犯を高めるなら、ホームカメラを導入したり、ドアセンサーなどを取り入れると、不審者が近づいたりドアが動いた段階で通知ができるような仕組みを作ることは簡単にできます。セキュリティ会社と契約すればより安心ではありますが。

さらに言えば、私のような鍵を絶対に失くすマンの場合は、鍵を絶対に見つけるAirTagのようなものをつけておけば大丈夫だったりしますし、対応の幅を広く持っておくことが大事だとも考えられます。

スマートホームの建築注意点まとめ
- 一般的な規格は、サポート器具が登場して対応しやすい
- 家に埋め込む照明・スイッチに関しては計画的にリモコン操作を採用しておく
- 各種センサーを設置することになるため、コンセントを含め設置位置だけは考えておく
- 最新設備はすぐに最新じゃなくなることを念頭におく
スマートホームで知っておきたいこと

スマートホームは、別に新築・リフォームが必要なことばかりではありません。むしろ、「毎日やる操作を、より簡単にする」というのが今のスマートホームの基本です。
ネットにさえつながる環境さえ作っておけば、管理システム(AI)の方が進化していってくれるのが、これからのAI時代の面白いところです。
一方で、どうやってもネットに繋がることができない家電や、あるいは使い側の人間の知識が追いついていかない場合、今まで以上に不便を強いられることになるかもしれません。

とりあえず、知っておくべきことを日々アップデートしていきますので、読める範囲で、対応できることをピックアップしていっていただけたらと思います。
音声アシスタントとスマートホーム

まず、家電を操作するスマートスピーカーやタブレットが、スマートホームのハブ機となります。管理システムの中枢、と言ってもいいと思います。
大体の場合、このハブ機にスマホでもアクセス・操作できるのが基本です。
スマホを操作するオペレーションシステム(OS)と相性がいい
スマホのオペレーションシステムである、iOSやAndroidなどの機能を利用しているものがほとんどで、音声アシスタントシステムなどもOS由来のSiriやGoogle Assistantなどが利用されます。

この辺りは、SiriとAlexaについてまとめた記事がありますので、ご参照ください。読む必要はないとは思いますが。
Alexaだけ特殊
しかし、皆さんもご存知のAlexaだけは少し特殊です。
AlexaはAmazon製品のAIアシスタントという位置付けになりますが、対応デバイスはスマホではなく、AmazonのEchoなどのスマートスピーカーやタブレットになります。
難しい話は端折りますが、Alexaに対応するハードルは低いのと、Amazonでの販売利益につながりやすいので、多くの家電がAlexaに対応しています。
SiriとHomekit
Homekitというのは、Appleのスマート家電システムのようなもので、こちらは日本のメーカーはあまり対応していません。
Homekit製品の普及が鍵
Homekitは家電メーカーにとってはコストが高くAlexaでもiOSアプリに対応しているので、Homekit対応家電を作る旨味がまだまだ少ないため数が少ないのです。Appleは自社サービスでの囲い込みを狙っているので、ここがいまいち日本市場とは折り合いがつかないところ。
Google Assistant
そもそも強いGoogleが提供するAIアシスタントであるGoogle Assistantは、スマートスピーカー Google Homeのシェアはいまいち伸びないものの、Androidスマホのシェア率を考えれば最も利用者に近い存在と言えます。
Googleの持つビッグデータと、パーソナルデータを組み合わせることで、「スマートスピーカーにやってほしいこと」に一番到達しやすい位置にいるのもGoogleだと考えて間違いないと思います。
シェアも開発規模も参入メーカーも申し分なし
家電メーカーとしても、Android端末のシェア率を考えればターゲット層を広く取れるのと、開発ツールであるAPIが公開されており、参入障壁も低いことからAlexaとGoogle Assistantは大体セットで対応されています。つまり、AlexaかGoogle Assistantに狙いを絞っておけば、スマートホーム構築の際には失敗することはない選択となりそうです。
Google Assistant SDK があれば、デベロッパーの皆さんは、マイクとスピーカーがある端末に Google アシスタントを組み込むことができます。
https://developers-jp.googleblog.com/2018/02/google-assistant-sdk-api.html
Line Clova
Lineが世界シェアを取ることはないと思いますが、日本人にターゲット層を絞っているLineならではのAIアシスタントがClovaになります。
スマートホームを目指すものとしては、シェアが日本に限られるのは海外製の家電を取り入れる際の障壁になりますが、日本国内のメーカーはClovaの利用率が上がることで対応してくれるところは増える可能性はあります。
Clova自体は、日本独自のキャラクター性を持ったClovaに育てていきたいという方針も見られて面白い存在なのですが、Line経済圏には個人的にはあまり期待できないと感じているので、ここに期待するのはまだまだ早計かな、と思っています。
とにかく、今回は日本ならClovaも忘れないでおこう、ということで書いておきました。
IFTTTと外部サービスの連携
IFTTTはここまでのAIアシスタントとは異なり、家電の自動化を手伝ってくれるツールです。
IFTTTとは
IFTTT(イフト)は、「レシピ」と呼ばれる個人作成もしくは公に共有しているプロフィールを使って数あるWebサービス(Facebook、Evernote、Weather、Dropboxなど)同士で連携することができるWebサービスである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/IFTTT
基本的には、自分でレシピを作って、Webサービスをまたがって自動化していくときに使います。
例えば、私のようなiPhone使いの場合、Appleが全ての家電メーカーに対応してくれれば手っ取り早いのですが、現実問題として、自分が利用したいサービスとAppleが連携するとは限りません。こういったサービスを飛び越えて連携させる場合に、IFTTTが役に立ちます。

例えば、iPhoneで目覚ましを鳴らしたら、Alexaに天気予報を読み上げてもらい、天気情報をGoogle Documentに記録する、みたいな感じですね。(これ自体はiOSのショートカット機能でもできそうですが)
IFTTT設定のやり方は面倒なので別記事に回しておきますが、Appleに縛られたりせずに、自在にサービスを組み込んで自動化するシステムが構築しやすい環境は出来上がっている、ということをご理解いただければ十分かと思います。
スマートホーム家電のこと
ここからは、実際にどんな家電を用意していけばいいのか、という情報をまとめていきたいと思います。
ハブ機を選ぶ
ハブ機というのは、基本的には家に常駐して、センサーや家電から情報を受け取ったり、家電に指示を出したりしてスマートホームのシステムを管理する機体のことです。スマホは本人と一緒に行動して、このハブ機に指示を出すリモコン的な役割になったり、あるいはシステムが正しく動いているか確認するチェック端末の役割になります。
ざっくり言えば、スマートスピーカーやタブレットをハブ機としてスマートホームを展開していきます。
選び方のポイント
すでに、音声AIアシスタントをご紹介しましたが、まずは自分が利用するAIアシスタントを決めるのが最優先課題です。
- AndroidユーザーならGoogle AssistantかAlexa
- iOSユーザーならSiri(Homekit)かAlexa
- スマホのOSが決まっていないならAlexaかGoogle Assistant
- コミュニケーションツールの利用率が異様にLINEが多く、かつ日本製の家電しか使わない覚悟があるならギリギリClovaも検討範囲
悩んだらAlexa
前述のとおりですが、AppleのHomekitが日本市場で巻き返しを図るのはかなり難しいと思います。
Homekitのセキュリティ関連の独自端末の付与を取りやめればメーカーの参戦障壁は低くなるものの、そしたらHomekitの独自性が失われるので悩ましいところ。
AIアシスタントの機能としてはまだ飛び抜けるところはないのと、仮にどこかが飛び抜けても追いかけられる底力があるのはApple、Google、Amazon。
国内に根回ししたとしても、開発競争と海外シェアを考えたらClovaがどこまでついてくるのか、差別化できるのかを考えておいた方が良さそうです。
AIアシスタントはスマートホームの基幹部分のシステムとなるので、ここでの選択は間違いたくないところ。ここは無難に、EchoかGoogle Homeあたりを選んでおくことをお勧めします。

私は弱小ブログ運営なので、ブログのネタとしてHomePodのニッチな使用方法を突き詰めていくので、少しチャレンジしてHomekitベースのスマートホームを作りますが、みなさんは息ながく使えるものを選ぶべきかと思います。
最終的には、どのハブ機でも同じように使えるように互換機能を持ったアプリで統合されそうな気はしますので、あまり神経質に考える必要もないかもしれませんが。なんとなく、VHSとベータのビデオ戦争を思い出しますね。ハードウェアの規格の問題じゃないので、致命的なことにはならないとは思います。
Echo、Echoタブレット
Amazon陣営のEchoに関しては、こちらの記事をどうぞ。Alexaを選ぶべき人はこんな感じです。
GoogleはGoogle HomeかNest Hubか
Google陣営に下る予定の方は、Androidスマホで操作に関しては問題ないですし、Google Assistantがどこでもサポートしてくれます。
Googleはすでにインターネット検索サービスだけの会社ではなく、ネット構造を利用した次世代の全人類を対象とするビジネスができる会社です。どこよりも多くの情報を確保でき、しかも優秀な人材が放っておいても集まる会社。つまり、負けるわけがないのです。
インターネット上のコンテンツはGoogleのために作られている
私もそうですけど、インターネットでコンテンツを作る以上、Googleの評価を気にしないわけにはいきません。検索エンジンを牛耳るGoogleは、コンテンツの質を自分たちの優位なように設定することができるのです。
我々は切磋琢磨して、ブログやら動画やらでコンテンツを量産させられるわけですが、このコンテンツが全てGoogleのビッグデータの礎となるわけです。そして、ネット上のコンテンツへの導線をGoogleが確保することで、広告事業も思うがまま。
これからはユーザーのデータを利用してより適切に消費行動に移る広告を仕込まれるわけで、質の低い広告やコンテンツなどに頼らずに、自分たちがやりやすいよういネット環境を作り上げられるわけです。強すぎですね。
Googleデバイスは優等生
Googleを利用しない社会は想像できないのですが、一方で、彼らの作るデバイスには魅力を感じないのは私だけでしょうか? あまりにも綺麗にデザインされすぎているからでしょうか。実用性は完璧だし、価格もちょうど良いとは思うんですけどね。
スマートホームの操作パネルとして使用するならNest Hubとなりそうですが、Googleの検索意図を把握する力を持ってすれば、ディスプレイすら不要なアシスタントを作り上げることも十分に期待できるため、スマートスピーカーであるGoogle Homeの更なる進化に期待したいところです。
HomePodとiOSタブレット
Appleはすでに着実に現在のAppleユーザーの囲い込みを進めています。すでに、iCloud上に多くのデータを人質に取られている方もいるのではないでしょうか?
Appleはデバイスの料金は高いものの、デバイス購入後には必要以上に手厚いサービスを受けることができます。普通、パソコンなどを買うと、MicrosoftのOfficeのライセンスを購入しなければ仕事に使うことはできないのですが、Macならとりあえず必要なものは全部入っているし、OSのバージョンアップでこれらのアプリも格段に進化していきます。
Appleのサブスクサービスはいまいち
最近は、iCloudのデータ容量やApple ArcadeやApple Music、Apple TVなどのサービスでの追加徴収も狙っていたようですが、思いのほかサービス利用者が伸びずに、Apple Oneという価格は快適なバンドルサービスで巻き返しを狙っています。
Appleは、今のユーザー層を漏れなく確保しながら、そのユーザー層の次世代を確実に取り込みながら将来の基盤を確保してサービスを展開していく予定だと思います。
教育などにも熱心に投資しており、シェアはこれ以上伸びないかもしれませんが、共感を得ることができたユーザーに関してはしっかりと掴んで離さない運営をしていくと私は予想しています。
Homekitで家電業界を制圧できるか
そのため、Homekit製品がどこまで普及できるのかは不安にも感じるところ。
Homekit対応製品が少なければ、普及も何もなく、しかも製品同士での価格競争も生まれないため、コスパの悪い製品でスマートホームを構築しなければなりません。ただ、HomekitのコンセプトがズレるとAppleを選ぶ理由すら失われるので、Appleは自社の利益を捨ててHomekit製品に積極的に投資をするタイミングが勝負だと思います。
おそらく、Homekit対応製品は、今のAppleデバイスのように、Appleデバイス同士の親和性を極限まで高めてきます。
現在も、HomePodの設定はiPhoneを近づけるだけで必要な設定ができるレベル。これはiCloudアカウントと紐付けしているだけではなく、今後は独自のU1チップ(位置情報などを正確に把握して情報を伝える無線チップ)の機能として更なる飛躍を遂げる可能性がある。
Homekit製品もU1チップレベルのものを搭載することが標準化されれば、iPhoneを持つユーザーを各家電同士が追跡・情報共有して、ユーザーの行動を正確に把握、Siriは家電やセンサーからの情報をもとに、「次は何をするから、こうしよう」というレベルの提案までしてくれるのではないでしょうか。
現在も、Homekitには高いセキュリティを要求するチップ・ファームウェアの搭載が義務付けられているのですが、現在、ここのコスパに折り合いがつかず名乗りは上げても開発された製品が世に出てこないのです。
HomeKit対応製品にはAppleが認証したチップとファームウエアを搭載すること が義務付けられている。このチップは、Broadcom、Marvell、Texas Instrumentsが 供給している。
こんな時代だからこそ必要な「セキュリティとプライバシー」の課題
Appleはセキュリティやプライバシーに関しては他社よりも数段高いレベルを要求することで有名です。
実際、これからの社会はセキュリティは当然のこと、個々人のプライバシーにも丁寧に向き合っていく必要があります。
ある意味では時代の先駆けの指針ではあるのですが、ユーザーがこの感覚には追いついておらず、いまいち訴求できない=売り上げにはつながらないというのがメーカーの腰を重くしていると考えられます。
長々と話してしまいましたが、例えばこのセキュリティチップのコストパフォーマンスが劇的に良くなる or Appleが負担するなどのブレイクスルーがあれば、一気に開発が加速する可能性は十分に秘めているものと期待しています(私は製造ラインに関しては詳しくないので、Homekit製品のチップ負担がどうなっているのかは知りません)
他社が同様のセキュリティを要求せざるを得ない社会になれば、いずれにせよ現在の主力ラインの製品は開発やり直しとなるため、近未来的にはどこのメーカーにも必要な工程を今やっている、とも考えられます。
とにかく、現状のHomekitの有様を見ても、将来性に投資できる方であれば、iPadやHomePodをハブ機として採用するのは十分にありだと思います。デバイスとしての質は高いので、普段使いのスピーカーとしても優秀ですし。
対応する家電を考える
対応家電は無限大です。前述の通りではありますが、とにかくネットに繋がりアクションを起こす仕組みさえ組み込めればスマートホーム家電として操作は可能です。
スマートリモコンがあれば赤外線リモコンは対応
敷居をグッと下げてくれたのがスマートリモコンです。スマートリモコンは、ざっくり言えば万能リモコンなのですが、万能リモコンを知らない方も多いと思うので、簡単に説明します。
- リモコンの信号を読み取って登録できる
- 有名メーカーの家電のリモコンの信号はプリセット(事前登録)されている
- WiFiに繋がっており、スマホを使ってリモート操作できる
- リモコン自体にセンサーがあり、温度や湿度、照明の明るさなどから自動で家電を起動できる
私の場合はNatureRemoという製品を使用しています。
これがすこぶる便利で、最初に述べた「下手にBluetoothやアプリで操作するような最新機能の家電はいらない」としている理由が、NatureRemoがあるからです。NatureRemoにさえ任しておけば、スマートホームの敷居はめちゃんこ下がるのです。
アプリがあれば各種OSが対応
最近の家電は、各メーカーが操作アプリをリリースしているので、そのアプリを利用してスマートホームに組み込むこともできます。

Siriのショートカットだと、よく使うアプリの操作をピックアップして表示してくれたりします。ただ、アプリがショートカット機能に対応している必要はありますが。
ただ、この「家電メーカーが作ったアプリ」の使い勝手が悪く、iOSのショートカットには利用しづらかったり、IFTTTのレシピとして起動できなかったりしてとにかく相性が悪い。

先程のNatureRemoは、スマートホームを作るために開発されたようなアプリなので、どのOSでも快適に使えるようにアプリがデザインされているんですけどね。メーカー産のアプリは「スマホで使える!」が売りなだけ。

ただ、これは将来的にいくらでも改善できるところではあるので、今後に期待したいところです。
メーカーは競合との競争から畑違いのサービスとの連携へ
今は、アプリで自社メーカーの各家電の連携を強めているだけに止まっているのが残念なところ。
各社としては、アプリを利用してもらうことで自社の家電の販促を狙ったり、別サービスへの誘導を考えているんでしょうけど、かえって自社のアプリの使用感に制限を受けるので、いまいち使い勝手が向上しないのが難点です。
それでも自社アプリを作るメーカーの狙い
パナソニックやSHARPなんかは、自社の家電が総合的に使えるアプリなどをリリースしていますが、狙いとしては自社家電との連携を強調するというよりは他社製品の排除という目的であるということが正しいと思います。

例えばテレビをパナソニックにして、アプリを使ってみたらレコーダーもパナソニックじゃないとうまく使えない、だからパナソニックのレコーダーを買おう、みたいなことですね。
最近は、あまり排他的に囲いを作ると、かえって自分たちが出て来れなくなることがあるので、競合しない外部サービス(LINEなどのコミュニケーションツールやNetflixなどの動画配信サービス)との連携は積極的です。
ユーザーの囲い込みをしないわけではなく、「次も同じメーカーで」という縛りができやすいように、設定を簡易化させて機種だけ買い替えできるようなサービスを付与したり、クラウドデータ容量を配布してデータを人質にしたり、なんかは家電メーカーでもみられるようになってきています。
コンセントに刺さればスマートコンセント
我が家では各部屋に1箇所くらいはHS105というスマートコンセントを設置しています。
結論から言えば、スマートコンセントが必要になる場面は限られています。最近の家電は、最低でもリモコンくらいは付いているので、スマートリモコンに機能をまとめた方が自動化しやすいんですよね。
スマートコンセントを使用する具体例
イメージとしては、例えば小型扇風機を天井付近につけて擬似シーリングファンのようにして暖房効率を良くしたいなどの要望があったときには便利です。
具体的に言えば、生活動線から離れた場所に設置する家電で、リモコン操作などのないものの場合、電源のOn/Offをリモコン操作できるような感じですね。
スマートコンセントもWiFiに繋がっているので、家の外からでも操作できますし、家電の使用状況なども確認できるので消し忘れ予防などもできて便利です。
他の家電と連動させることもできる
さらに、IFTTTなども利用することで、「エアコンをつけたときには必ず扇風機(スマートコンセント)をONにする」という使い方もできます。条件を工夫すれば、操作などしなくても温度や自分の居場所、電気の使用状況なんかでも家電の稼働を制御することができます。
実は対応しづらいIoT家電たち
少しまとめてみますが、アナログな家電の方が、最近のスマートホーム用のガジェットと相性が良く、簡単に組み込むことができるのに対して、最初からインターネットにつながってアプリで使用するようにモデリングされている中途半端なIoT家電の方がスマートホーム化しづらかったりします。

スマホで全ての家電は操作できるけど、アプリが複数にまたがって結局不便に感じて、自分でスイッチ消しにいったりしますからね。

大手家電メーカーほど、自分たちのアプリに機能を組み込もうとするけど、iOSなどのAIアシスタントに全てを任せられるような仕組み作りに切り替えた方がユーザーとしては使い勝手がいいんですけどね。
ただ、一社が独裁的にシステムを構築できる環境もユーザーに不利になりかねないので、アプリ同士での連携がしやすくなるようにAppleはメーカーの開発がしやすいようにサポートし、開発・製造メーカーはユーザーの利便性を考慮して各OS・AIでの動線をスムーズにできるようなアプリ設計にしていくのが理想的ですね。
スマートキッチン家電はハイテクだけど不便な理由
ちなみに、過去にスマートキッチン家電についても取り上げました。
スマートキッチン家電は、それぞれが近未来的に機能を詰め込まれているのですが、実際のところ、各家電がそんなに賢い必要はないのです。情報を感知するセンサーと、情報システムに繋がる無線機能さえあれば、考えてもらうのはAIでいいわけですから。

スマホやタブレット、スマートスピーカーも、今やパソコン並みに賢いですからね。家電に搭載されている制御用プログラミングよりもずっと優秀です。
日本のメーカーにありがちな「開発した技術は全て盛り込む」なんでもコミコミ機能は少し古い考え方で、これからは家電に求められている機能をわかりやすくユーザーに提示した上で、ユーザーの期待値を超えて活躍する家電の時代になります。

必要な人が、必要に思ったものを選んで、取捨選択できるような家電ということですね。

ただ、この取捨選択が苦手なのが消費者心理で、だからブログなんかの情報を提供する場にいまだに情報を求めてやってくる方がいるわけなんですけどね。
メルカリ使えるだけで買い物リスクは劇的に下がる
必要以上にできることは求めずに、今必要だと思っているものを選ぶ。選ぶことに失敗しても、今の時代、他の誰かの需要には合致していることが多いので、メルカリなどで売ればそれほど大きな損害にはなりませんし。「将来使うかも」はあまり考慮しなくてもいい時代になったと思います。
先ほど「空気清浄機と加湿機能」の記事も書きましたが、空気清浄機と加湿は相性がいいので二つの機能が合わさった加湿空気清浄機は便利だと思います。
ただ、デメリットもあることをユーザーがしっかりと把握した上で、しっかりと選べる知識や情報収集スキルが必要だと思います。ただ、世の中の9割くらいの人はそんなに一つの家電の購入に時間を割くこともできないので、私たちのようなブロガーが、必要な情報を厳選して、再構築して提示することにもそれなりに需要があるということです。

私の場合は、自分が欲しいものをとことんまで調べるついでに、ブログを更新しているくらいですけどね。
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