住宅の保証期間、最近はだいぶ長期化しています。
私が家を建てたときは10年くらいが基本だったけど最近は20年、さらには60年や永年保証なんてこともやっているメーカーがありますね。
しかし、そんなに保証できるのなら最初からそうしてくれればいいのに、と思うところですが、住宅保証が長期化する背景や、「結局、それってお得なの?」というあたりを考えてみたいと思います。
家の寿命は、そもそも何年?
保証期間が60年を超えてくると、「そんなに木造住宅って長持ちするの?」ということが疑問になってきます。
そりゃ、現存する最古の木造建築物として法隆寺が約1,300年も経っているのだから、木造でも60年くらいはなんとかなるんだろうけど、うちの実家は20年もしたらボロボロだったよ?
一般的な建築物の寿命
- 木造住宅:約30年
- 鉄骨住宅:約30年~50年
- 鉄筋コンクリート住宅:約40年~90年
木造住宅の場合、多くの住宅が約30年で解体されているという統計データがあります。
しかし、この30年というのは「本来はもっと長く住むことができた木造住宅」も、需要の変化によって解体された結果、築年数30年という結果になっています。
30年以内に家が建て替えられてきた理由
- 20年〜30年で家族構成が変わる
- 同じ時期に建てた家が建て替える時期
- 住宅設備が20年ほどで壊れる
- 耐震基準法などの改正で、古い住宅が売れなくなる
- 都市整備の影響で移転が必要になる
私たちは家を建てるときには「ずっと住める家」を求めるけど、家族構成が変われば、メンテナンスしやすいように家をサイズダウンしたり、生活圏の縮小に合わせて便利な土地に引っ越したくなるものですよね。
家自体が20年もするとメンテナンスの必要が出てくるけど、家を売りたい人たちは「建て替え」を進めるし、考えるのも面倒だし、新築の方が見栄えがいいので、つい建て替えを選択しがちですよね。
中古の家の資産価値がやばい
実際、20年も住んだ家はなかなか売れない、という話。
資産価値は10年以内に半額以下に
まず、築年数が経過したことで家の価値が大幅に下がってしまう、というのが問題。
一戸建ての木造建築の場合、10年以内にほぼ半額まで価格が下落し、そこから15年ほどで25%ほどまで落ち切ります。
そもそも、新築物件と中古物件は価格の設定が異なり、新築は「家を建てるための経費」がそのまま価格として反映されますが、中古は需要に依存します。
新築物件の価格はそれほど値下がりしませんが、中古は周辺の中古市場に影響を受けるため、築年数が浅くても「中古物件を求める顧客」にしか売れないので、他の物件と比較されても売れるように価格を下げざるを得ません。
築年数20年を超えると資産価値はほぼなくなる
ライフスタイルが変わる以上、自分達が求める家へのニーズもどうしても変化します。つまり、家は本来、ライフスタイルの変化に合わせて家も適合していくべきです。つまり、家は住み替えるべきで、住み替えに合わせて売却できるのがベストだと言えます。
しかし、現実問題として、築20年以上経過した家はなかなか売れません。木造家屋の法定耐用年数が22年となっている影響もあり、築年数20年を超えた物件を資産として計上するのは難しい。結果的に、資産価値としては20年を超えるとほぼなくなってしまいます。
建物があることで売れなくなってしまうため、解体してから土地だけ売却するか、全く別の家に立て替えてしまうかが選択肢に上がってきます。つまり、建て替えの需要は「資産価値」からも影響を受けています。
いまだに衰えない新築志向
買い手側としても、築年数が経過した家よりは、少しでも新しい家を建てたいという新築志向が日本ではいまだに多い。これは、マスメディアに広告を打ち続けた住宅会社の熱心な布教による影響も大きいでしょう。
むしろ、新築需要を維持するために、日本の新築志向を醸成していた結果が、今の日本の住宅事情の土台となっているとも言えそうですね。
家族ができたら新築を、は日本人に遺伝子レベルで刷り込まれていそう。
日本の昔の家屋は、リノベーション・メンテナンスがしやすい構造で、古くなった部分を適宜作り替えたりして、築年数100年とかを可能にしていました。もちろん、それなりに裕福な家庭の住宅で手入れも安定してできていたという背景のある家ですが。
昭和から平成にかけての日本の新築物件の多くは、30年で建て替えることを考えた構造になっている、とも言えますね。
木造住宅の寿命、実際には何年?
家の寿命を短くする要因
- シロアリ被害
- 地震
- 木材の腐食
簡単に言えば、建物の骨の部分である躯体がしっかりしていれば、家は長生きします。逆に、骨がやられてしまうと、補修ではやりようがなく、建て替えの必要が出てくる。
構造材・躯体の寿命は何年?
家の寿命を決めるのは、構造材・躯体に使われている木材の劣化が影響します。
躯体に使われる木材は「無垢材」と「集成材」に分けられます。
無垢材に関しては、古来より利用されてきた通り、木が腐りさえしなければ(木材の種類によりますが)100年、檜のような強度の高い木材であれば伐採後も強度を増すと言われており、1000年経過する間は強度を維持すると考えられています。
一方の集成材は、一本の木ではなく、切り分けられた木の板を接着剤で張り合わせて作られた木材。品質は安定しやすく、強度も高い。価格もリーズナブルなので、現在は広く利用されています。
ただ、この利用されている接着剤に木材としての寿命が依存しており、接着剤が劣化することで家の強度にも影響があるのではないか、と懸念されています。
集成材の歴史は無垢材に比べれば当然浅い上に、集成材自体が技術の発展により進化しているので、「100年後に家が建っていれば集成材でも大丈夫だった」ということしか言えません。
すでに集成材が利用されていた1930年代の建築物は今でも使用されているとのことで、現在の集成材ならより品質としては安定している、とポジティブに考える要因はあります。
現実的に利用する場合においても、50年程度であれば、集成材の強度変化については心配する必要はないのかな、と考えています。
長寿にするためにできること
- 木材に水がかからないようにする
- 湿度調整を心がける
- 通気性を確保する
- 外壁などの耐久性能を高める
- 透湿防水シートなどの施工不良をチェックする
- シロアリ被害に注意する
家を建て替えるか、リフォーム・補修工事をするかの判断
家の寿命のついでに、「家の建て替え」と「リフォーム」のことについて触れておきます。
家の建て替えが必要なケース
- 築年数が30年程度経過している
- メンテナンスを怠った経過がある
- 耐震基準が現在のものに見合わない
- 過去に地震などの影響で躯体に歪みがある
建て替えのメリット
- 土地に合わせた間取りを自由に作れる
- 新しい住宅設備や省エネシステムを取り入れやすい
- 住宅補助を受けやすい
- 住宅ローンが利用できる
デメリット
- 費用が高い
- 解体費、仮住まいや引越しなどの諸費用もかかる
- 各種申請が必要、税金なども新たにかかる
リフォーム・リノベーションが可能なケース
リフォーム、リノベーションは、まだ建物の構造部分が生きていれば可能です。むしろ、早い段階で補修工事をしておくことで、建物を長生きさせることにつながります。
リフォーム・リノベーションのメリット
- 価格を抑えることができる
- 助成金・補助がリフォーム対応のものに限定される
- 工期が短い
デメリット
- 既存住宅に間取りの制限を受ける
- 不要な工事まで依頼しがち
- 助成金・補助がリフォーム対応のものに限定される
- ローン上限額は低い傾向
- リフォーム工事で躯体の損傷が見つかり、結局、取り壊しになる
どちらが安い? 建て替えとリフォーム
建て替えとリフォームの費用の違いですが、建て替えは「解体」と「引っ越し」などの諸経費も多く、一方のリフォームは規模によりけりなので単純に比較できるものではありません。
ただ、一般的には改修が必要な部分を適正に見積もれば、リフォームの方が安くつく場合が多いです。一方で、改修を減らすための日頃のメンテナンスを疎かにすることで、リフォーム費用も膨らみます。
リフォーム費用とタイミングの目安
リフォーム 場所 | 点検・メンテナンス方法 | 工事タイミングの目安 | 補修工事費用 |
外壁 | コーキング材、ひび割れ、チョーキング、カビ・こけ、色褪せなどを見る。プロには7〜8年で点検してもらい、必要時補修工事を依頼する。 | 耐用年数は15年〜40年、最初に劣化するのはコーキング材、塗装などにより経年劣化を防ぐ。 | 塗装が約70~110万円、コーキング材の打ち直し費用は約24~40万円、補修費用は約20~40万円ほど、重ね張り工事は約100~220万円、張り替え工事が約170~250万円 |
屋根 | 10〜15年ごとに点検、スレートは10年程度。 | 雨漏りは深刻、目に見える症状がなくても、屋根の変形(歪み、たわみ)があるときは劣化を疑う | 塗装工事なら25万円程度、葺き替えは40〜80万円、 |
壁紙 | 剥がれ、ヒビ、カビ | 10年ごと・汚れが気になったら | 壁紙の張り替え費用は1㎡あたり1,200円~2,000円程度、全室だと40〜50万円 |
フローリング | 点検:5年ごと キズ、凹み、色褪せなど | 張替:20年、下地が生きていれば重ね貼りも | 15〜20万円 (/6畳) |
水栓・配管 | 点検:5年 漏水、錆び、詰まり、流れの悪さ | 取り換え:20年 | 50〜100万円 |
キッチン | 電気系統は10年がタイムリミット、水栓関連もサビ、水漏れが見られたら一度は点検 | 換気扇・レンジフード、食洗機:約10年 ガスコンロ、IHクッキングヒーター、シンク、天板(ワークトップ):約15~20年 | 60〜90万円 |
洗面台 | 洗面ボウルにヒビが入っている、シャワーホースや排水管から水漏れ | 10〜20年、部品交換で済む場合も | 20〜30万円 |
トイレ | 水漏れ、詰まりやすい、水の流れが悪い | 20〜30年、一部の部品は10年が交換目安 | 15〜20万円 |
ユニットバス | カビ、ひび、床の歪み、排水不全、水漏れ。 コーキングなどの細かなメンテナンスをしておく。 | 15〜20年程度 | 70〜80万円 |
給湯器 | エラー表示、温度が不安定、お湯がなかなか出ない、異音、サビ、水漏れ | 7〜15年 | 15〜20万円 |
シロアリ対策 | 点検は1〜5年程度、コンクリートについている固まった土は「蟻道」 | 5年ごとに防除処理 | 20万円 |
https://www.a-tm.co.jp/top/housingloan/house/house_lifespan/
今から家を建てるなら、保証期間は何年あればいいの?
先にリフォームと建て替えの話をしたのは、計画的な補修工事は家の寿命を延ばし、これを怠ることで20年、30年後の工事はかなり高額になってしまう、場合によっては新築した方がいい、という事態に陥りかねないということを伝えたかったから。
では、これから家を建てようとしている方は、だいたい何年くらいの保証があれば安心して暮らせるのか、考えてみました。
保証期間を考える要点
長くなってしまったのでまとめを書いておきます。
- 20年後に売却できる価値を維持する
- 50年後も住める住宅の骨組みを作る
- 20年以降の計画的な修繕を行う
- 保証期間は、修繕・建て替え・売却計画に合わせて設定する
これまで30年で家が壊されていたのは、寿命というよりは住む人の都合が大きかったわけで、今後は建物を長く使う時代がくると考えられます。
住宅としての資産価値が維持できるような時代になるかどうかはわかりませんが、これまでよりは中古市場の需要が高まると考えられるので、自分や子供が住むにせよ、売ることになるにせよ「しっかり住める家」を残しておくことが大切、というまとめになります。
保証期間、心配なら長い方がいい
言い換えると、住宅の保証期間、もしまだ選べる段階にあるのであれば、期間は長い方がいいですし、それに加えて「長く保証される家を維持する」システムづくりが重要だと思います。
結論としては、ライフスタイルの変化や修繕の必要性が出てくる20年をひとつの節目として計画を立てるべき。これが仮に有償点検・有償工事になっても、20年後に選択の余地を残しておくのは大事だと思います。
無料で20年保証してくれるなら、それに越したことはないですけどね。
これからの時代、家はもっと長寿命化する、という話
木造住宅は、工夫をすれば長寿だという話をしました。古来より、木造住宅は手入れをすれば長寿であったとも言えますし、さらに、木造建築物も技術の進歩により長寿命化しています。
一方で、建物の寿命を決めるのは、建築物としての耐年数よりも、家を求める人の需要であるとも言えます。新築が好まれるほど、建物は短命化するということです。
つまり、考えるべきことは、これからの時代を生きる我々が、今まで通りに新築を選び続けるか、それとも中古物件の価値が見直されるんか、という点がこれからの住宅業界を占うと言っても過言ではありません。
中古の価値が高まれば、家づくりも変わる
木造建築物も修繕を繰り返せば1,000年以上現存できるわけですが、これ、実際には建て壊しよりも修繕の方がコストのかかる方法だけど、「保存が目的」になっているから成り立つとも言えます。つまり、建て替えの方が安ければ、人々は当然、新築を選ぶわけです。
逆に言えば、メンテナンスの費用が今よりももっと安くなるように最初から家づくりをしてしまえば、建て替えよりも補修を選び、トータルコストを抑えることができるかもしれません。
家の機能性として、建材を交換しやすいような設計に需要が生まれれば、リフォーム側の技術がもっと促進し、価格を抑えることにつながるかもしれません。
一方で、新築も技術革新によって、今よりももっと建てやすい家でコストが抑えられれば、中古よりも新築を選ぶ方が増えることになるとも言えるので、こればかりは人々の価値観の変遷次第とは言えます。
どちらかといえば、AIの発展で設計図なども自動化して、ほとんど人の手を介さずに、ネットで新築が注文できる可能性の方が大きいような気はします。何年も先でしょうけど。
でも、既存の住宅も3Dサンプリングして必要建材や工事計画が最適化される未来もありそうですけどね。
新築がファストフード化するか、中古物件が無限リバイバル仕様になるか、どちらの未来が待っているかはわかりませんが、家づくりの選択肢は広がるのは間違いないと思います。
新築、中古の価値観はどう変わる?
まず、2022年に考える、世の中の流れとしては「中古物件へのテコ入れ」が行われることは間違いないと思います。
すでに社会問題になっている「空き家」に関しては、解決を待てない急務。そして、一番手っ取り早く解決するためには、空き家を活用するのが一番です。
また、労働階級の所得の相対的な減少、原材料は世界中で奪い合いになっていることを考えると、近い将来、新築物件を購入できる世帯は限られると考えられます。
新築を買える人が減り、目の前に空き家という問題があれば、もう、中古物件を活用するしか手はないですよね。
とはいえ、我々は見栄っ張りで価値観はなかなか変え難いので、中古を利用することがおしゃれみたいな価値観の捉え方の変化で「低所得である自分のプライドを傷つけない、防衛規制的な中古物件利用の解釈」みたいな流れもできそうな気がするので、いずれにせよ、社会の流れは中古物件の利用に傾くと思います。
価値観の変化に関する要因
- 高齢社会と、育児・介護問題
- ブームとしてのリノベーション
- リノベーション技術の向上
- 所得低下の影響
- ハウスメーカーのターゲット・商品のテコ入れ
- 木材の高騰
スクラップ&ビルドからストック型への変遷期
空き家がいっぱい増えて、これからの時代はストック型の家づくりになるだろう、みたいなことは今後も論じられていくことになると思います。
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/siryou/kpr/prn0042pdf/kp004205.pdf
保証を利用して、資産価値を高める家づくりをしよう
少し整理すると、家は長寿化して、かつ、中古の価値は見直される社会がくるわけです。
そうなると、20年後、自分の家が建てた家が売れる、あるいは価値が残っていればリフォーム融資も受けやすくなる、という未来が待っている、かもしれないわけで。
だから、「30年後建て替え計画」から、「20年で計画的補修で価値を下げない」工夫が大事になってくるということ。
ここで大事なのは、我々は素人で家の安全性が保たれているかは、普段暮らしていてもよくわからない。だから、プロの力を借りて、点検・補修工事を計画的に取り入れていくことが重要だということです。
保証の必要性を見つめ直す
他の記事でも書きましたが、住宅会社が家の将来性を保証するには、「そう簡単に壊れない」担保が必要。だから、住宅会社の保証延長には「点検」と「補修工事」が必須となるわけです。
ちなみに、住宅の瑕疵担保責任(契約不適合責任)のための保険を延長する場合にも、第三者機関による点検と必要な補修工事の施工は必須です。
生命保険と一緒で、健康に問題があれば入れないか高額の保険料が必要で、健康であれば、あるいは予防活動を実施することで保険料は安くなるわけです。健康な家を維持するために、家にもドックが必要。
つまり、住宅会社や保険会社が10年保証してくれる家というのは、住宅のプロである会社側が「大規模工事をしないことに賭ける」のと同義。我々にとっても安心な判断材料となるわけです。
プロの点検、10年目以降はなぜ有償?
10年くらいの点検は無料でやってもらえるところが多いと思いますが、これは10年間は瑕疵担保責任として工事が無料になってしまうから。チェックするのは保険会社ですから、将来の大工事に及ぶ家の問題を見逃すことは大赤字となってしまいます。
だから、10年間の保証期間は、この保険会社が家の欠陥探しを必死にやってくれます。
しかし、10年以降はこの担保責任がなくなります。施主は自分で家を守る必要が出てきます。言い換えると、保守する方法は自由になるので、どこに依頼してもいいことになります。
例えば、家の問題を探す「ホームインスペクション」を専門の会社に依頼すれば、費用は5万円ほどだと言われています。
これからまた時代が変わって、中古市場が活性化すると、将来の顧客取り合戦になって、この点検費用を無料にするところはもっと多くなるかもしれませんが、現在のところは、有償で点検を行うこと自体は妥当だと言えます。
保証期間と有償補修のバランス
では、結局、どれくらいの期間保証期間を延長していけばいいのかと言うところを考えてみたいと思います。
まず、ひとつの区切りとして、家を建てたときに思い描いたライフプランがあると思います。多くの人にとっては、それが子育てのような「世帯の人数が増えるイベント」であると思います。介護などの可能性もありますね。
では、次に住宅での転換期となるイベントは、「世帯の人数が減るイベント」になるわけです。つまり、子育てが終わる子供の巣立ち、あるいは介護が終わるタイミング。
この転換期は、自分達のライフスタイルを見つめなおすときでもあります。これが訪れるであろう時までが、まずはひとつの節目であり、ここまでの保証が必要であると言えます。
ここで、この家との付き合い方を考えて、「もう少し長く住みたい」であれば、自分達の需要にあった補修工事を行い、あるいは家を売却して新天地で暮らすのであればこのタイミングとも言えます。
家というのは、家電のようにひとつの商品として成り立つものではなく、色々な商品が合わさって出来上がっているもの。だから、保証期間も、家全体では考えずに、リフォーム計画をしっかり立てて、必要な期間がカバーされているかどうかが大事だと言えます。
補修計画はプロの意見も採り入れる
不動産としての住宅は、取り扱いに専門的な知識と一定の経験が必要です。だから我々には判断が難しい。
家の保証についても「長ければいい」というものではなく、必要な保証を見極め、家自体のライフサイクルについても購入時に検討しておく必要がある、ということです。
そのためには、消費者も専門的な知識が必要なので、適宜相談できるところがあるといいのですが。この役割を、住宅会社に担ってもらえるのが、長期保証のメリットだと言えます。
保証範囲はどこまであればいい?
住宅の保証範囲については、住宅会社の保証の手厚さを示す指標でもあり、同時に「結局、どこまで何が保障されているのかわからない」と感じる部分でもあります。
これが保証されていると嬉しいもの
- シロアリ
- 柱の腐食
- 地盤
- 一定期間の住宅設備
外壁や屋根なんかは、あれは経年劣化することを前提にしているので、タイミングを間違えずに修繕できればそれでいいもの。タイミングは点検で教えてもらおう。
一番困るのは、とにかく躯体が劣化すること。躯体へのダメージは、シロアリ・柱の水濡れが大きな原因。
地盤は住宅会社というよりは、地盤調査・改良工事をおこなった会社の保証になりますが、手厚い保証をつけてくれる地盤会社と(ケチらず)手を組んでいる住宅会社が安心。
「保証期間が長いだけ」には注意
保証期間自体は長ければ長いほうがいいのですが、保証期間が長いということは、売主としては、よほど商品が壊れない自信があるか、保証期間を延長することによるメリットがあるか、ということを考える必要があります。
家は老朽化します。これは避けられません。物質が劣化する以上、劣化部分を交換していくことで寿命を延ばしていくだけです。ここを素人が自分で点検して必要な工事を発注するのは難しいので、専門家と時期を相談しながら住宅ライフプランにシステマティックに落とし込んでいくことが、アフターケアで重要な点だと言えます。
このアフターケアを売りにすることを考えているのが、超長期的保証の狙いだとも言えます。
点検・補修工事の料金は適宜見直したい
大手ハウスメーカーでは、60年以上の保証を可能とするところもあります。しかし、長期保証には条件があり、必ず「有償補修工事」が必要になります。
簡単に言えば、メーカーが謳う長期保証は、有料のメンテナンス工事の事前予約のようなものです。
もちろん、メンテナンスで採算が取れると踏んでいるのは、品質に自信があるから、ということでもあるので悪い話ではありません。
30年で潰れる家のメンテナンスは、たとえ有償であれ、顧客を満足させる内容にするには骨が折れます。
この保証を受けるための細かな特約にもよるのですが、仮にメンテナンスの全てを施工会社で独占(一度でもほかの業者で修理したら無効)する内容である場合は注意が必要です。
家は、家電のようにスイッチを入れて期待通りの動きをするかどうかを素人がチェックするのは難しいです。まして、普段見えない内部構造の劣化などは、工事を担当した人しか把握できません。
あくまでも可能性ですが、たとえば20年の保証期間後の有償補修工事を一社が独占することが確約されれば、適正な価格競争が起こらずに、不要な工事をして水増し請求したり、劣化状況で不安を煽って必要のないリフォームや建て替えを迫ることもできます。
施主が正しい知識を持っていれば対応可能なので、必要な保証を受けるために、どれくらいのコストが必要なのかを検討する力が必要だと言えます。
家の将来性を考えながら計画的に選んでいくことが大切だと思います。
まとめ:結局、家の保証はどうしたらいい?
- 家の寿命は長寿化の需要もあって今後はもっと長くなる
- ハウスメーカーの長期保証はメンテナンス事前予約
- 施主に必要なことは、補修計画とそれに見合った保証内容
コメント
「住宅ローン 組ん 年数」に関する最新情報です。
この記事では、住宅ローンの借入期間に関する調査結果が紹介されています。ドリームプランニングが行った調査によると、自宅を所有している258人を対象に、最も多かった借入年数とその理由がランキング形式で示されています。
1位は「30年以上~35年未満」で、頭金なしで月々の支払いを無理のない範囲に設定したケースが多く見られました。2位は「35年以上~40年未満」で、働いている間に返済を終えたいという意向が強いことが特徴です。3位は「25年以上~30年未満」で、60歳前に完済したいという声がありました。4位と5位はそれぞれ「20年以上~25年未満」と「15年以上~20年未満」で、早期返済を望む傾向が見受けられます。
全体的に、年齢やライフプランを考慮しながら、月々の返済負担を軽減するために長めの借入期間を選ぶ傾向があることが分かりました。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_66bb00d8e4b04b3eb25246fe
「住宅 戸建 ストック」に関する最新情報です。
日本戸建管理は、国土交通省の「住宅ストック維持・向上促進事業」に参画し、戸建住宅の維持管理を促進する取り組みを行うことを発表した。この取り組みを通じて、良質な住宅ストックの形成に必要な維持管理が促進され、住宅の資産価値評価やリフォーム市場の活性化が目指される。
https://www.housenews.jp/house/26960
「消費者 下落 判断」に関する最新情報です。
内閣府が発表した4月の消費動向調査によると、消費者態度指数が前月比1.2ポイント低下し、7カ月ぶりの下落となった。しかし、基調判断は4カ月連続で「改善している」とされており、消費者心理にはまだ変化が分からないとの見方が示されている。指数を構成する4指標全てが下落し、特に耐久消費財の買い時判断が最大の下げ幅となった。内閣府は、4月に食品などの値上げが相次いだことが消費者心理に影響したと分析している。
https://www.s-housing.jp/archives/349267
「ビル 建て替え 10」に関する最新情報です。
東京・五反田のTOCビルの建て替えが建築費高騰の影響で延期されることが発表された。運営会社は、建て替え計画を見直し、現在のビルをメンテナンスやリニューアルを経て再開する予定で、新たな建て替えは2033年ごろに着工される見通しとなっている。
https://news.google.com/rss/articles/CBMiQGh0dHBzOi8vbmV3cy50di1hc2FoaS5jby5qcC9uZXdzX2Vjb25vbXkvYXJ0aWNsZXMvMDAwMzQ0NDQwLmh0bWzSAQA?oc=5
「表示 検討 建築物」に関する最新情報です。
国土交通省住宅局は、既存建築物の省エネ性能表示に関する検討会を開催し、販売・賃貸時における新たな表示ルールについて議論するためのワーキンググループを設置することを発表しました。既存建築物については、建築時の性能評価が行われていない場合でも、断熱や設備の仕様に基づく表示などについて検討を進める予定です。
https://www.housenews.jp/executive/26122
「住宅 技術 既存住宅」に関する最新情報です。
岡庭建設は、木と自然素材を活用した注文住宅の施工技術を既存住宅にも応用しています。2021年11月には、築25年のモデルハウスをフルリノベーションし、既存住宅の可能性を示すために取り組みました。また、良質な住宅ストック社会を実現するために、大工技術の重要性を認識し、社員の大工育成にも力を入れています。岡庭建設は、地域工務店として地域の住生活を豊かにする役割を果たしていきたいと考えています。
https://www.housenews.jp/house/26119
「マンション やり口 建て替え」に関する最新情報です。
不動産会社が、まだ住める物件を壊してマンション建て替えを行い、そのために5分の4の住民の賛成を集めるという驚きの手法を用いていることが明らかになった。ヴィンテージマンションなど、古い物件に住んでいる人々は建て替えの問題に直面しており、工事中に数年間住めないことや建て替え費用の負担が大きいため、高齢者にとっては苦しい選択となっている。このような状況下で、デベロッパーは地上げと呼ばれる合法的な手法を用いて、住民を説得し、建て替えに賛成を得ている。建て替え前に相場が下がることもあり、デベロッパーは住民を説得して居室を買い取り、5分の4の賛成を目指している。
https://gendai.media/articles/-/123798
「市場 既存住宅 住宅」に関する最新情報です。
この記事は、明海大学不動産学部の中城康彦教授へのインタビューを通じて、既存住宅市場の活性化について探求しています。記事では、住宅事業者が取り組むべきアプローチや性能向上について議論されています。また、中城教授は「居住状態への関与」の重要性についても言及しています。既存住宅市場の規模や流通シェアの統計データも提示されており、国土交通省の政策や社会資本整備審議会の活動についても言及されています。
https://www.housenews.jp/interview/25795
「区分 建て替え 法制」に関する最新情報です。
法務省の法制審議会の部会で、区分所有建て替えに関する要件付きで4分の3の合意が示されました。一部売却制度の創設は見送られました。この決定は、建て替えに関する現行の法制度の見直しを求める議論の結果です。具体的には、建築基準法の耐震性や火災安全性、バリアフリー基準などの項目を満たす割合を4分の3に緩和する方針が示されました。これにより、区分所有者の議決権の5分の4の割合が必要な現行の法制度を維持しながら、建て替えの仕組みを再生向けに見直すことができます。
https://www.housenews.jp/executive/25671
「売れる 30万 30万 売れる」に関する最新情報です。
「年間30万個売れる「最強のカゴ」はどうすごい?売れる商品を生み出すヒント」という記事は、売れる商品を生み出すためのヒントを紹介しています。この記事では、年間30万個ものカゴが売れる理由やその特徴について詳しく解説されています。
この「最強のカゴ」は、そのデザインや機能性が優れていることが特徴です。商品のデザインは、顧客のニーズやトレンドに合わせて作られており、使いやすさや耐久性にもこだわっています。また、カゴの機能性も優れており、収納力や持ち運びのしやすさなど、顧客の利便性を考慮した設計がされています。
さらに、このカゴの販売戦略も成功の要因として挙げられています。販売チャネルの選定やマーケティング戦略の立案、顧客とのコミュニケーションなど、売れる商品を生み出すための重要なポイントが紹介されています。
この記事は、商品開発や販売戦略に興味のある人にとって参考になる情報が詰まった内容となっています。売れる商品を生み出すためのヒントを知りたい方は、ぜひ一読してみることをおすすめします。
https://www.lifehacker.jp/article/2312-hatawarawide-ringstar-starke-r/
「木造 程度 ビル」に関する最新情報です。
地域工務店でも建設可能なキノビル「普及型純木造ビル」5階建てモデルがグッドデザイン賞を受賞しました。このビルは独自の特許と構造計算によって実現され、RC造に比べてCO2排出量は1/2程度、建築費は同等程度で建設することができます。これにより、木造ビルの普及が進み、脱炭素社会の実現に貢献することが期待されています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000262.000008413.html
「都市 下落 不動産」に関する最新情報です。
中国の新築住宅価格が7割の都市で下落しており、不動産不況が続いていることが報告されました。国家統計局による調査によれば、70都市中49都市で新築住宅価格が下落しており、そのうち63都市では新築住宅と中古住宅の価格が下落しています。今年に入ってからの下落は最も多く、中国の不動産分野の不況が深刻化していることが示されています。さらに、不動産投資額もマイナス8.5%の落ち込みがあり、大手不動産会社の碧桂園も1兆円以上の赤字見通しを公表しています。この不況の影響は個別の企業に広がっており、中国の不動産市場は困難な状況にあると言えます。
https://news.google.com/rss/articles/CBMiRmh0dHBzOi8vbmV3cy50di1hc2FoaS5jby5qcC9uZXdzX2ludGVybmF0aW9uYWwvYXJ0aWNsZXMvMDAwMzExNzE1Lmh0bWzSAQA?oc=5